同じ漢字を使っていても、中身のちがう言葉もあります。
この記事では、「企て」と「企み」の違いを分かりやすく説明していきます。
迷いやすい言葉を、ひとつずつ理解していきましょう。
「企て」とは?
企て(くわだて)とは、計画やプランのこと。
作戦を練ったり手立てを考えたり、色々と知恵をしぼることです。
もともと企ての「企」という漢字には、計画を立てる・良いことが起こるように願うという意味があります。
ラッキーな出来事を期待して取り計らうのが「企て」なのです。
ただ「企て」は、もう済んでしまったこと。
過去のことについて、述べる方が多い言葉です。
良いことを期待して準備したのに、あえなく失敗してしまったときに用いられます。
例えるのなら、まさに絵に描いたような餅のことです。
使い方の例として「テロを企てた容疑で、逮捕された」や「彼の企ては、失敗に終わった」などがあります。
日常生活ではあまり良い例えとしては用いられないので、注意しておきましょう。
「企み」とは?
企み(たくらみ)とは、くわだてのこと。
計画そのものを指しています。
物事がうまく進むように、前もって策略を立てておくことです。
こちらも「企」という漢字が、主役になっている言葉です。
「企」には計画を立てるのほか、悪事をおこなうという意味もあります。
つまり第三者から見て「あまり良くないことを計画している」のが「企み」。
いい計画ではなく、どちらかといえば悪い計画のことを「企み」といっています。
使い方の例としては「家来の企みを、いとも簡単に見破った」や「ずる賢い彼は、いつもあくどい企みをしている」などがあります。
褒められる行動ではない悪しき振る舞いや、妙なくわだてに用いられる言葉です。
「企て」と「企み」の違い
「て」と「み」の違いですが、使い分けに迷うこともあります。
「企て」と「企み」の違いを、分かりやすく解説します。
・読み方の違い
どちらも「企画」をあらわす「企」という漢字がついています。
「企て」は「くわだて」。
「企み」は「たくらみ」です。
それぞれ「たくだて」「くわだみ」とは読まないので、しっかり内容を落とし込んでいきましょう。
また「企て」と「企み」はどちらも計画・策略をあらわします。
ただ悪意がこもっているのは「企み」。
「企て」は単純に準備することですが「企み」に変化すると、悪いニュアンスがさらに強まります。
密かなくわだて、悪いはかりごとに用いられます。
どちらも同じように見えますが、少しだけ差を意識してあげるとより自然な日本語になります。
まとめ
「企て」と「企み」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも「計画を立てる」という意味で用いられます。
準備をしたものの不発に終わったとき、失敗したときに用いる言葉です。
どちらも同じように使えますが「企み」には「悪だくみ」という訳もあるので、より不快な気持ちがこもっているのは「企み」です。