海外からやって来た人を「帰化人」や「渡来人」と呼ぶこともあります。
この記事では、「帰化人」と「渡来人」の違いを分かりやすく説明していきます。
正しい意味を知って、知識の小箱に入れていきましょう。
「帰化人」とは?
帰化人(きかじん)とは、海外からやって来た外国人が日本の国籍を取得すること。
またそうした方をあらわす言葉です。
歴史で帰化人というと、大陸から日本にわたって来た人を指します。
帰化人の「帰化」には、生まれた国とはちがう国籍を得るという意味があります。
日本では2つの国籍をもつ二重国籍が認められていないので、帰化すると元の国籍は失われます。
現在、帰化の申請を出している人は年間数万人にわたっています。
帰化人になると日本のパスポートが取得できる、日本の名前を名乗れる、選挙権を与えられるなどのメリットがあります。
デメリットとしては、生まれた国に帰るときの手続きが、これまで以上に複雑になることです。
帰化人になるためには、日本に5年間以上住んでいること、安定した収入や資産があることなど複数の条件が必要になります。
「渡来人」とは?
渡来人(とらいじん)とは、弥生時代から奈良時代などの昔に、大陸から日本にやって来た人のことです。
日本に住むために中国や朝鮮からわたって来た人のことを、歴史の言葉でそう呼んでいます。
古墳時代になると渡来人は住居や織物の技術を、日本につたえました。
渡来人がおしえた土器として有名なものに「須恵器」があります。
須恵器はグレー色の薄い材質の土器で、飾りなどが少ないことから経験が少ない初心者でもつくりやすいという特徴があります。
このほか渡来人は、仏教や漢字なども日本に伝えました。
古墳時代の古墳からは、当時の渡来人が伝えたと思われる、副葬品がたくさん出土されています。
「帰化人」と「渡来人」の違い
外国から来た人をあらわす言葉のため、使い方に迷ってしまうことがあります。
「帰化人」と「渡来人」の違いを、分かりやすく解説します。
・現代では「帰化人」
帰化人とは、海外からやって来て日本の国籍を取得した人のことです。
法務省の発表によると、年間およそ1万人の人が帰化をおこなっています。
帰化の申請をおこなうためには、全国の法務局が管轄している出先機関におもむく必要があります。
・太古の時代は「渡来人」
帰化人も渡来人も、どちらも外国からやって来た人ですが「帰化の手続きをおこなっていない人」は渡来人です。
また現代では日本に住む外国人のことを、渡来人と呼ぶことは少ないので気を付けておきましょう。
渡来人は主に古墳時代に、大陸からやって来た人のことです。
まとめ
「帰化人」と「渡来人」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも海外から日本にやって来た人をあらわします。
帰化人は日本国籍を取得した外国人のこと。
渡来人は古墳時代に、大陸から日本にわたって来た人です。
間違えやすい言葉なので、今すぐ頭にインプットしておきましょう。