この記事では、「要請」と「要望」の違いを分かりやすく説明していきます。
「要請」とは?
なくてはならないものとして、強く願い求めることです。
感染症が流行しているときには、マスクの着用が求められることがあります。
店では「マスクをしてください」という張り紙がされていることもあります。
感染症にかかってしまうと、免疫力が低い場合には命が危険にさらされる可能性があります。
そうならないために、マスクの着用はなくてはならないものといえるかもしれません。
国から強く求められたりすれば、これはマスクの着用が「要請」されているといえます。
国が行うこと以外の事柄についても、この言葉は意味しています。
たとえば、会長への就任です。
ある人を会長にしたいと周囲の人たちが考えていたとします。
その人が会長になることで、組織にとって大きなメリットがあります。
メリットになるので、会長になることはなくてはならないものといえるかもしれません。
それを強く願い求めることを「要請」といいます。
この場合は「就任を要請する」といいます。
「要請」の使い方
必要なものとして強く願い求めるという意味で使用します。
必要ないものを求めることや、求め方が強くないことには使用しません。
「要望」とは?
物事が現実になることを強く希望することです。
希望には、そうなることをのぞむという意味があります。
「こうなるといいな」というもので、絶対そうでなければならない、絶対必要だというものではありません。
市民が公園を増やして欲しいと希望していたとします。
これは「市民の要望」ということができます。
公園はあると便利かもしれませんが、生活になくてはならないものではありません。
あったらいいなという望みです。
デリバリーサービスをしている企業に対して「配達エリアを拡大して欲しい」という望みが客から寄せられていたとします。
この「配達エリアを拡大して欲しい」というのが「要望」です。
「要望」の使い方
こうなるといいなと望むことについて使用をします。
「叶わなくてもいいか」という弱いものではなく、強く望むことに使用をする言葉です。
「要請」と「要望」の違い
どちらの言葉にも、もとめるという意味を持つ漢字である「要」が使用されている通り、「もとめる」という意味が含まれています。
しかし、何を求めるのかという点に違いがあります。
前者の言葉は、必要なものを強く求めることです。
後者の言葉は、実現を希望して求めることです。
「要請」の例文
・『国からの要請にこたえる』
・『イベントの中止が要請された』
・『各店舗への協力が要請されている』
・『医師に往診の要請があった』
「要望」の例文
・『さまざまな要望にこたえる』
・『要望にこたえたデザイン』
・『お客様の要望にこたえて誕生した商品です』
・『多くの要望がよせられた』
まとめ
どちらの言葉にも求めるという意味が含まれていますが、何を求めるのかという点に違いがあります。