この記事では、「謀略」と「策略」の違いを分かりやすく説明していきます。
「謀略」とは?
「謀略」とは、人を陥れる為の計画という意味になります。
 人を騙し困難な状況に追い込んだり、罪を着せたり、失脚させること、評判を落とすことなどが「謀略」となります。
 つまり、この言葉にはいい意味はまったくありません。
 人に対して「謀略をかけた」と使う場合、事実でなければ誹謗中傷となる可能性もありますので気をつけてください。
「お互いなりふり構わぬ、謀略戦」「敵の謀略にかかるとは情けない」などと使います。
「策略」とは?
「策略」とは、物事を自分にメリットがあるように上手く運び、相手側を思うままに動かす計画のことを言います。
 また、そのような手段が得意で上手い人のことを「策略家」と言い表します。
 褒め言葉として使うこともありますが、「賢い」というよりは「悪賢い」というニュアンスの方が強くなります。
 あまりいい印象はない言葉ですが、仕事や物事をするにあたって、ある程度の「策略」は必要となります。
 特に仕事においては「策略」を使うことができなければ儲けを出すこともできないでしょう。
 人間関係において「策略」を使うこともあります。
 例えば恋愛における男女の駆け引きは立派な「策略」とも言えます。
「策略をめぐらす」「あなたはなかなかの策略家だ」などと使います。
「謀略」と「策略」の違い
「謀略」と「策略」の違いを、分かりやすく解説します。
 この二つの言葉はある目的を持って計画をするという意味は共通しています。
 しかし、それ以外の意味合いはまったく違っていますので、混同しないように注意が必要です。
「謀略」とは、人を苦しめることが目的の悪い計画という意味になります。
 つまり、戦争、悪事、そのような場面において使われる言葉です。
「謀略」をかける相手は自分にとって「敵」という存在なのです。
 一方の「策略」とは、物事を上手く運んだり、相手を自分の思うように操る為の計画です。
 こちらは、仕事、駆け引きなどの場面でよく使われる言葉です。
 自分のメリットを考えた上での計画、企みですが、必ずしも悪いこととは限りません。
 例えば恋愛など相手を自分に夢中にさせる為の計画などは、程度の差こそあれ誰しも考えることはあるでしょう。
 つまり、「策略」をかける相手は「敵」や「嫌いな相手」とは限らず、「自分にメリットがある人」「好きな人」となるわけです。
 また人に対して使う際、「策略家」と言えば、物事を上手く運ぶ人、賢いといった意味合いですが、「謀略家」とは言いません。
 そもそも「謀略」自体、悪事ですので、それが得意な人とは、事実であっても失礼ですので使うことはないのです。
 あえて、使うとしてもそれは皮肉、悪口ということになるでしょう。
まとめ
 いかがでしたでしょうか。
「謀略」と「策略」の違いを説明しました。
 どちらも、計画といった意味合いが共通していますが、それ以外はまったく違う意味を持つ言葉です。
 混同はできませんので、それぞれの正しい意味を覚え、使い分けるようにしましょう。


