面倒でやる気が削がれてしまう状態を表す言葉として「うんざり」と「げんなり」があります。
両者はよく似た意味を持ち混同されることも多いですが明確に違いのある言葉です。
この2つの言葉にはどのような意味の違いがあるのでしょうか。
今回は、「うんざり」と「げんなり」それぞれの意味と違いを使い方を挙げて紹介します。
「うんざり」とは?
「うんざり」とは物事に飽きて嫌気が差した状態を意味する言葉です。
うんざりを正しく理解するためのポイントは「飽きる」です。
うんざりには何度も繰り返されたり量が多すぎたりなどして飽きてしまう、手がけるのが嫌になるというニュアンスが含まれています。
頻度や量が過大であることが原因で嫌気が差しているのであり必ずしも対象となる物事や行為そのものを嫌っているわけではありません。
本来であれば好ましい物事が何度も繰り返され嫌気が差したときなどは「うんざり」という表現がふさわしい場面です。
「うんざり」の使い方
・毎日そうめんばかりでうんざりする。
・同じ失敗を繰り返す君の仕事ぶりにはうんざりだ。
・毎日単調な仕事の繰り返しではうんざりしてしまうのも理解できる。
・来賓の挨拶が皆長くてうんざりさせられる。
「げんなり」とは?
「げんなり」は疲労や精神的ショックで気力や体力が削がれ動く元気がなくなる様子を指す言葉です。
ぐったりして動かなる様子から転じて嫌気が差す様子を意味する言葉としても使われます。
げんなりを正しく理解するポイントは「気力が削がれる」です。
あることにより気力が削がれやる気がなくなってしまうのげんなりの本来の意味です。
さらに元気もなくなり動けなくなってしまう状態のこともげんなりに含まれます。
気力だけでなく体力的な要素も含まれるので精神的にショックを受けても元気に動けている状態はげんなりではありません。
思わずため息を付いて座り込みたくなる疲労感、徒労感がげんなりの指すところです。
「げんなり」の使い方
・要求の高さを聞いただけでげんなりさせられる。
・過大なノルマにげんなりする。
・あまりの不味さにひとくち食べただけでげんなりした。
・猛暑が続いてげんなりしてしまう。
「うんざり」と「げんなり」の違い
「うんざり」と「げんなり」はどちらもやる気が起きず行動したくないという状態のときに使われる言葉です。
両者の違いのひとつが頻度です。
何度も繰り返されることに嫌気が差した場合は「うんざり」がふさわしくたった一度で不快感を覚えた場合は「げんなり」が適切です。
うんざりには飽きるというニュアンスが含まれているため回数や量などで飽き飽きしている場合は適切ですが頻度が少なかったり量が適切なのに嫌気が差した場合はげんなりがふさわしい表現になります。
うんざりは精神的な疲労感や嫌気に使われますがげんなりは体力的な疲労も伴うニュアンスが含まれます。
連日暑い日が続けば「うんざり」ですが一日だけの猛暑にまいってしまった場合は「げんなり」がふさわしい表現です。
まとめ
「うんざり」は精神的な疲労で飽きからくる嫌気に使われる言葉で「げんなり」は体力的な疲労を伴うやる気の現象を指す言葉です。
共通点もありますがニュアンスにはかなりはっきりとした違いがあります。
それぞれの言葉の意味を正しく理解して適切に使い分けてください。