消化しやすく弱った胃腸でも食べやすい食べ物として「おかゆ」と「おじや」があります。
どちらも同じような見た目の米料理ですがどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「おかゆ」と「おじや」の違いについて解説します。
「おかゆ」とは?
「おかゆ」とは「米をたっぷりの水で柔らかくなるまでにて食べる料理」のことです。
一般的な「おかゆ」は「米を柔らかく似た料理」を指しますが、本来は米だけではなく「さまざまな穀物や野菜を柔らかく煮込んで食べる料理」を指していました。
今でも「そばがゆ」「むぎがゆ」など米以外の材料を使ったものも見られますが、大多数は米で調理されることから「おかゆ」といえば米を使って調理されたものを意味します。
使う材料は米と水だけのとてもシンプルで簡単な料理です。
米粒が原型を留めないほど柔らかくなるまで煮こむことからとても消化しやすく、胃腸の弱った病人に与える病人食にピッタリです。
もともとは生の材料を柔らかく煮込んだものを指していましたが、現在では炊いた米やゆでた麦などをあらためて水で煮込む料理も含まれます。
塩やだしで味付けがされますが基本的には薄味で食べる料理です。
日本で食べられるものは梅干しやおかかなどご飯に合うおかずとあわせる程度であまり豪華な具材は使われません。
中国など海外では肉や魚、貝など豪華な具材を使いしっかりと味付けされた「おかゆ」もあります。
「おかゆ」の使い方
・風を引いたときはおかゆが一番だ。
・副反応で食事の容易ができなくなったときに備えてレトルトのおかゆを買っておく。
・おかゆには海苔の佃煮がよく合う。
・ずっとおかゆが続いたのでそろそろ普通のご飯が食べたい。
「おじや」とは?
「おじや」とは「味のついた汁で炊いたご飯を煮込んで食べる料理」のことです。
「おじや」は別名を「雑炊」と言います。
「雑多な具材と一緒に米を炊いて食べる料理」が「雑炊」で、鍋のシメとしてよく食べられています。
既に炊いてあるご飯を使って調理するので煮こむ時間はそれほど長くありません。
「おじや」の語源には諸説あります。
鍋が煮立つときに「ジヤジヤ」と音がするからという説。
雑多に冷ご飯を煮こむ様子から「ざつひやごはん」が転じて「じや」になり丁寧語のおをつけて「おじや」になったという説。
スペイン語で煮こむときに使う鍋を意味する「olla」(オジャ)からきたという説などさまざまな説がありますが、はっきりとした由来は不明です。
「おじや」の使い方
・寒い日は体があたたまるおじやが一番だ。
・おじやに卵を溶き入れる。
・おじやに濃い目の味付けをする。
・体調がイマイチなので温かいおじやを食べて早く寝る。
「おかゆ」と「おじや」の違い
「おかゆ」と「おじや」の違いを「生米から煮るか、炊いたご飯を煮るか」とする説がありますが現在で叩いたご飯で「おかゆ」を作ることも多く適切ではありません。
調理法から見た違いとしては「味付け」で区別されます。
「おかゆ」は基本的に味を付けない水で煮込んで調理します。
塩やだしなどは完成後に使うので「おかゆ」そのものは米の味のみです。
「おじや」は鍋のつゆやだし汁など味のついた汁でご飯を煮込みます。
味付けしないのが「おかゆ」味付けしてあるのが「おじや」と区別されます。
まとめ
「おかゆ」と「おじや」は似たような米料理ですが全くの別物です。
柔らかく煮込んだ米料理を口にする機会があったらどちらの料理なのか考えて味わってみてください。