「計画がおじゃんになる」、「イベントがおじゃんになる」・・・昔から現代に至るまで、長く使われてきた言葉「おじゃんになる」とは?そもそも「おじゃん」ってどういう意味? この記事では、「おじゃんになる」の意味を分かりやすく説明していきます。
「おじゃんになる」の意味とは?
「おじゃんになる」とは、「物事が途中でだめになること」、「物事が失敗に終わること」を意味する言葉です。
「おじゃんになる」の由来とは?
「おじゃんになる」の由来には、2つ説があります。
火消しの半鐘説
江戸時代では、火災が発生した時、火消しが半鐘を鳴らして火災の状況を知らせていました。
伝える状況に応じて、鐘の鳴らし方も変わり、火元が近い時は『ジャン、ジャン、ジャン、』と鐘を連打し、火元が遠ければ『ジャーン、ジャーン、ジャン』と鐘を2つ半鳴らし、鎮火したとき、消火作業が完了したときは『ジャン、ジャン』と鐘を2回鳴らす決まりになっていました。
そこから転じて、消火作業の終わりを伝える鐘の音を擬音化した「ジャン、ジャン」が「終わり」や「おしまい」の意味を言い表すときに使われるようになります。
何かの終わりや、何かが失敗に終わったときに聞く「はい、ジャン、ジャン」というフレーズもこれが由来となっています。
そこからさらに、一点打の音である「ジャン」が派生し、「物事が途中でダメになること」を「おじゃんになる」と言い表すようになったとする説。
「じゃみる」説
同じく江戸時代では、「物事が途中でダメになる」という意味で「じゃみる」という動詞が使われていました。
その「じゃみる」の連用名詞形である「じゃみ」に、接頭語「お」が付け加えられ、「おじゃみ」に、なり、その後「おじゃん」に変化したとする説です。
ちなみに、山梨県の方言である甲州弁にも「おじゃんになる」という言葉があり、こちらも「取りやめ」、「中止」という意味を指すようです。
「おじゃんになる」の類語
・『暗唱に乗り上げる』
・『水泡に帰す』
・『お流れになる』
・『パーになる』
・『コケる』
「おじゃんになる」の使い方
計画が途中でダメになったり、失敗で頓挫したときなど、物事が好ましくない結果に終わった場合に使用されます。
「おじゃんになる」を使った例文
・『かねてより立てていた家族旅行の計画が、おじゃんになってしまった』
・『数か月前から準備していたイベントだが、悪天候でおじゃんになってしまった』
・『明日のデートがおじゃんになったときは、また別の日に約束しよう』
まとめ
「おじゃんになる」とは、「物事が途中でダメになること」、「物事が失敗に終わること」を指します。
「おじゃん」の由来には2つ説があり、江戸時代の火消しが鳴らす「消火が終わった」を意味する鐘の合図が由来とする説と、同じく江戸時代に使われていた「物事が途中でダメになる」という意味の「じゃみる」が変化して「おじゃん」になったとする説があります。