この記事では、「お陰」と「お蔭」の違いを分かりやすく説明していきます。
「お陰」とは?
「お陰」は、仏教の神々の加護のことを「御蔭」と呼んでいたのですが、他人から受けた助力や親切のことを指す言葉に変化したのが、「お陰」です。
「お蔭」でも同じ意味になり、実は元々の常用漢字は、草冠がある方の「蔭」が常用漢字でしたが、常用漢字から外れることで「お陰」が今の常用漢字となっています。
「お蔭」とは?
「お蔭」は、今現在使用されている「お陰」と全く同じ意味ですが、常用漢字から外れた漢字です。
常用漢字とは、時代の流れによって新聞や小説に漫画など文字を記したものに常日頃から使用されている感じであると記したものです。
常用漢字から外れるというのは、新聞や小説に漫画などの文字から消えた文字という意味になります。
「お陰」と「お蔭」の違い
「お陰」と「お蔭」の違いは、常用漢字であるか、そうではないかです。
昔は、「お蔭」が常用漢字として登録されていて、こちらが正しい文字で、「お陰」が正しい文字ではないという認識でした。
しかし、時代が進むと文字の逆転現象が起き、草冠がある側の、「蔭」がメディアから消え去るという現象が起きたのです。
その為、「お陰」と「お蔭」の違いは意味の違いは無く、常日頃から日常使用されやすいかどうかが違うだけになります。
「お陰」の例文
・『お陰様でだいぶ体の調子が良くなりました』
この例は、周囲の助力や協力があり体の調子を取り戻したという例になります。
「お陰」は、助力や親切のことになり、今使用されている常用漢字で構成された文字を使用しています。
「お蔭様」とするのも正しく、どちらを使用しても同じ意味になりますので好みで使い分けるとよいです。
このケースでは、「お陰」と今の常用文字を使用していることから目上の方ではなく同レベルの相手に感謝を伝えたとみて取れます。
「お蔭」の例文
・『部長のお蔭です』
この例は、部長から受けた指導や協力を「お蔭」と呼び感謝しています。
こちらは、旧来の「お蔭」という文字を使用しているため、年長者の方に使用することが望ましい文字です。
ただし、「お陰」としても年長者の方は理解をして頂けると思われますので「お陰」だろうと「お蔭」だろうと恐らく意味は通じ、誠意も通じます。
まとめ
「お陰」と「お蔭」の違いですが、草冠が付いているかそうではないかです。
と言いますのも、元々、第3者に感謝を伝える「お蔭」は、草冠がある文字が主流でした。
しかし、時代が流れるにつれ、常用漢字から草冠がある方が消え去り、今現在では、「お陰」が定着したのです。
ですが、両者の意味は全く同じであるが故、違いは常用漢字であるかどうかと、草冠が付属するかになります。
意識して使い分けるのであれば、ビジネスなどでは常用漢字である、「お陰」を使用することを念頭に入れる、目上の方に感謝を伝える場合、「お蔭」とするのが望ましい両者の使い分けになります。