この記事では、「さすがに」と「ちょっと」の違いを分かりやすく説明していきます。
「さすがに」とは?
「さすがに」という言葉には、意味が複数あります。
使われる文脈によって、違う意味で使われているので、注意が必要です。
一つ目の意味は、前提とする条件を一応は認めつつ、その限りではない状況では、前提条件が当てはまらないことを表現しています。
又は、例外だと思っていたけれど、世間一般と同じ結果になったときにも使います。
「さすがに」の後に続く言葉が、実質的に言いたいことになります。
「今年の夏は、暑さに強い自分でも、さすがに参ってしまった」などと、使います。
二つ目の意味は、当然の状況になったこと、実力や評判が期待通りだったことを表しています。
「さすがに偉いものだ」、「さすがに富士山は日本一の山と言われるだけのことはある」などと、使います。
漢字では、「流石に」と書く事が多くなります。
「さすがに」の使い方
出来事や物事、感情を再確認するときに使います。
世間の評判や事実を確認し、特定の条件下では、相反する感情を抱いたときや、改めて感心したときなどに使用します。
「さすがに」の後に、感じたことや言いたいことがきます。
感動詞のように、強調の意味で使うこともあります。
「さすがに」という言葉を目上の人に使うと、「たいしたものだ」と評価することになってしまうので、失礼になります。
また、「さすがに」は、相反する気持ちを表すことが多い言葉なので、人に使うときは、誤解が生まれないように気をつける必要があります。
「ちょっと」とは?
「ちっと」の音変化した言葉です。
物事の数や程度、時間がわずかであることを表しています。
少しのことです。
気軽なことを表すときにも使います。
「ちょっとは名の知れた」、「ちょっと驚いてしまった」などと、かなりのものであるさまを表すこともあります。
また、困難であることを表すこともあります。
漢字では「一寸」と書きます。
「ちょっと」の使い方
少しであることを表したいときに使用します。
「お酒がちょっとだけ残っている」などと、使います。
後ろに打ち消しの言葉を伴って、「ちょっと考えられない」など、そう簡単にはいかない、可能性はほとんどないことをあらわす時もあります。
また、「ちょっと、そこの人」などと、人に呼びかけるときにも使用します。
「さすがに」と「ちょっと」の違い
どちらも、否定する文脈で使われることがあります。
誘いを断る時に、「今日はさすがに」や、「今日はちょっと」と言えば、行けないことを相手に伝えられます。
「さすがに」は、前提とするものや、常識、世間の評価などがあるのに対し、「ちょっと」は、特にありません。
「さすがに」と言って、誘いを断る場合は、相手にも分かってもらえる理由であることが多くなります。
また、「ちょっと」は、少しという意味で使います。
「さすがに」は、そうはいってもやはりという意味がありますが、「ちょっと」にはそのような意味はありません。
「さすがに」の例文
・『さすがに夜の海は怖いね』
・『いくら自分でも、さすがにこれは出来ません』
・『出来ると思ったけれど、さすがに無理だった』
・『さすがにもう帰らないと、妻に怒られます』
「ちょっと」の例文
・『ちょっとカフェまで行ってきます』
・『ちょっと待ってください』
・『他人の口座から、勝手にお金を引き出すのは、ちょっと無理だと思う』
・『ちょっとこの帽子をかぶってみて』
まとめ
「さすがに」と「ちょっと」という言葉は、続けて使うこともあります。
違いを知って、役立ててください。