方言には難解なものもありますが、パッと意味がわかるものも多いものです。
しかし普段から使っていて、なんとなくわかりそうで深い意味まではわからない方言もあり、「なんぼなんでも」がそれに当たる人も意外にいるでしょう。
この記事では、「なんぼなんでも」の意味を分かりやすく説明していきます。
「なんぼなんでも」とは?意味
「なんぼなんでも」とは、どう考えても、どんな理由や事情があっても、どうであろうとという意味で、西日本と東北地方で使われている方言です。
標準語で言うところの、「いくらなんでも」にあたります。
そのため「いくらなんでも」と同じように、物事の程度がひどすぎたり、前評判を踏まえた上でやはり、しかし、という意味で使われる方言になります。
「なんぼなんでも」の概要
京都や大阪など関西地方では、値段や数字などをこれが幾らか聞く時に、「なんぼ」と言います。
つまり標準語のいくらは西日本の方言ではなんぼであり、「なんぼなんでも」も「いくらなんでも」の幾ら部分が、西日本の方言である「なんぼ」に変わっただけの方言と言えるでしょう。
それが昔の首都であった京都から周囲に広まり、同じ言葉を使っていた人が開拓とともに東北や北海道へ移ったことから、西日本と東北で見られる方言となりました。
なんぼ自体の由来は、現代のどれ程と同じ意味のなに程が、なんほど、なんぼと変化していったのが語源です。
「なんぼなんでも」の言葉の使い方や使われ方
「なんぼなんでも」の使い方は、標準語のいくらなんでもと全く同じです。
あんまりにも無体がすぎることに対して「『なんぼなんでも』ひどい」と言ったり、絶対ありえないことを「『なんぼなんでも』それはない」と言うような使い方をされます。
「なんぼなんでも」は、文としては何かを否定したり、何かや誰かを非難する文面だけでしか使われず、肯定的な文で「なんぼなんでも」とつけることはありません。
何かへの否定を強調するために使われる言葉と言えます。
「なんぼなんでも」の類語や言いかえ
「なんぼなんでも」は標準語の「いくらなんでも」にそのまま言い換える事ができます。
また実質的にいくらなんでもと同じ言葉なので、いくらなんでもの類語や言い換えも、そのまま「なんぼなんでも」の類語や言い換えです。
例を挙げれば酷すぎることや無体すぎることを指して「なんぼなんでも」と言っていた場合は「余りにも」が言い換えになります。
どういう物や人か知っている相手に、たとえそれでもダメや無理だろうという場合には、「流石に」や「さしもの〇〇でも」と言い換えられるでしょう。
まとめ
「なんぼなんでも」は表現が多少違うだけで標準語の「いくらなんでも」と全く同じ言葉であり、様々な用途で使われています。
それだけに言葉の意味は言語化しにくい方言ではありますが、強調として使える場面や使われるのを聞く機会は多いので、どういう時に使えるかの判断は難しくないでしょう。