日本では2011年に地上波が「デジタル放送」に移行しましたが、果たして「アナログ放送」と何が変わったのか、疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「アナログ放送」と「デジタル放送」の違いを分かりやすく説明していきます。
「アナログ放送」とは?
「アナログ放送」とはアナログ電波で信号を送り、テレビ映像を再生する仕組みのことです。
日本の地上波放送では1953年に開始し、2011年に終了しています。
大まかな仕組みはラジオと同じです。
映像や音声をVHFやUHFと呼ばれる専用の電波に乗せて、遠くのテレビまで届けていました。
特性もラジオに似ていて、発信基地から遠くなるほど品質が低下しますが、受信できる範囲なら完全に映像が止まることは基本的にありません。
「デジタル放送」とは?
地上波放送では2011年から開始した、新しいタイプの方式です。
映像や音声データがデジタル化されており、テレビにおいて鮮明に再現できるのが特徴となります。
全てのデータは0と1のデジタルデータで表されるのがポイント。
このため、電波の波形は角ばった矩形波になります。
受信したデータは、高速な処理システムを使って画面に映像や音声として表示するのが「デジタル放送」の仕組みです。
「アナログ放送」と「デジタル放送」の違い
「アナログ放送」と「デジタル放送」の違いを、分かりやすく解説します。
まず「アナログ」放送は連続的な電波を受信しますが、「デジタル放送」では、そうではありません。
時計で言えば、アナログ時計の秒針は絶えず、滑らかに移動しています。
しかし、デジタル時計では1秒ごとに「1,2,3」と表示し、連続性はありません。
これにより、アナログでは秒針の指す位置を分析すれば、1000分の1秒でも測定できます。
しかし、デジタルでは、1秒ごとに表示すると決めたら、0. 1秒をはかることはできません。
このため、アナログの方が元となるデータの再現性は高いと言えます。
テレビも同じです。
「アナログ放送」ではなだらかな波形の電波で発信しますが、デジタルは0か1だけの、矩形波と呼ばれる電波を使います。
ならばアナログの方が詳細に表現できると考えられますが、必ずしもそうではありません。
デジタル放送では非常に細かく画面を分割していますので、人間の目には綺麗に見えるのです。
対して「アナログ放送」は距離が長いと品質が劣化し、他の電波の干渉も受けます。
しかし「デジタル放送」では、長距離でもはっきりと表示できる上、他の電波の干渉を余り受けません。
この結果、一般家庭でテレビを見るなら、「デジタル放送」の方が鮮明で高画質に見えるわけです。
まとめ
「アナログ放送」と「デジタル放送」の違いは、使う電波の特性にあります。
前者はなだらかなカーブを描くのですが、後者はカクカクとした矩形波を用いるのが特徴。
現在は後者の方がテレビ放送に向いているので、地上波で使われるようになりました。
また、「デジタル放送」だと使用する電波領域が少なくて済むので、今後のIT化を考えても優秀なのです。