人間は色々な物事と自分を比べる存在ですが、この時に生まれる感情として有名ものとしては「コンプレックス」と「劣等感」があります。
この記事では、「コンプレックス」と「劣等感」の違いを分かりやすく説明していきます。
「コンプレックス」とは?
「コンプレックス」は英語の“complex”が由来の言葉であり、これは色々な感情が結びついている状態を表す言葉です。
この色々な感情は喜怒哀楽と様々なものから構成されており、特別に悪いものだけを示すものではありません。
これまで得た体験や現在感じている衝動、欲求、など様々なものから構成された複雑な状態を表す特徴があり、これはほとんどの場合無意識化で生まれるものです。
「コンプレックス」は他人と比べて生まれるものも存在しますが、これ以外にも色々な人物との関係性から発生するものも多数あります。
有名なものとしては父親との関係性である「ファザーコンプレックス」、母親との関係性である「マザーコンプレックス」があり、これらは肉親でありながらも複雑な感情を持つという点が特徴的です。
「劣等感」とは?
「劣等感」とは自分を他人と比べた際に劣っているという感情を持つことや、ダメな人間であると思うことを表す言葉です。
こちらはどの場合でも常に自分が優れていないという感情を持つことから、複雑なものではなく単純な感情であるのが特徴です。
「劣等感」は単純に劣後感という心境のみならず、自分は他人や世界と比べて不平等であるという感情を発生させることもあります。
「劣等感」はネガティブな感情として使われることが多く、人を悩ませるものとして有名です。
時に「劣等感」をバネにしてこれを克服する人も稀にいます。
「劣等感」を持つ原因は個人差がありますが、成長段階での体験や競争社会における環境など色々なものがあり、心理学のテーマとして扱われることが多いのが特徴です。
「コンプレックス」と「劣等感」の違い
「コンプレックス」は色々な感情を複合したものであり、様々なものから構成されています。
ネガティブな感情を含む場合もありますし、それ以外の色々な状態が混ざり合うこともあります。
「劣等感」は他人と比べて自分が格下だという感情を表す言葉ですが、これは「コンプレックス」の1種類として分類されています。
「コンプレックス」の例文
・『少し太っているのがコンプレックスだったが、彼氏が好きと言ってくれたので自信が付いた』
・『顔にコンプレックスがあったので、この度整形手術をすることに決めた』
「劣等感」の例文
・『背が小さいことに対して今でも劣等感を抱いている』
・『劣等感を逆手に取って頑張りたいけれど、やはり無理そうだ』
まとめ
「コンプレックス」は色々な感情や衝動が混ざり合ったものであり、複雑な状態を表すのが特徴です。
この「コンプレックス」の中の1種類として特に他人と比べてダメであるという感情の割合が多いものが「劣等感」と呼ばれています。
現代では資本主義社会であることや小さいことから競争を強いられる社会であることもあり、これによって他人と比べる機会が多くなり「劣等感」を抱えることが多くなるのかもしれません。