「ゴリ押し」とは?意味や言葉の使い方、概要(元ネタ)など

「ゴリ押し」とは?新語・ネット用語

この記事では、「ゴリ押し」の意味を分かりやすく説明していきます。

「ゴリ押し」とは?意味

自分の要求や意見をむりやり押し進めること。


「ゴリ押し」の概要

「ゴリ押し」とは、力任せに押し通すこと、自分の要求や意見を強引に押し進めることです。

また魚の「ゴリ」を獲るときの漁を指します。

「ゴリ押し」という言い回しは、魚のゴリを獲るときに使われる漁法「ゴリ押し漁」から来ているとされています。

ゴリはカワヨシノボリというハゼ科の小さな魚です。

ほかのハゼ科と同じように川底に住み、「石伏魚」の別名のとおり、石の間に伏せてじっとしています。

ゴリは佃煮などにするとおいしい魚ですが、通常の漁法では捕まえにくいので、板などを押し進めて石の下にいるゴリを広げた網の中に追いやります。

この「ゴリ押し漁」は板で強引にゴリを押し上げていくことから、物事をむりやり押し通す様子が「ゴリ押し」と呼ばれるようになったのです。

強引な漁法にたとえられる「ゴリ押し」は、周りのことを考えず強引に物事を進める行為を比喩しており、そこには周りの人が困惑しているニュアンスが漂います。

語源については「ゴリゴリ押すから、ゴリ押しと言うようになった」という説もあります。

ちなみに「ゴリラが押すからゴリ押しと言う」と噂が流れたこともありますが、これは正しくありません。


「ゴリ押し」の言葉の使い方や使われ方

「ゴリ押し」は、ほかの人の考えを無視して、自分の意見をむりやり押し通す、自分のしたいように強引に押し進めていくさま、あるいは力任せに相手を押し負かすさまを表すときに使います。

たとえば、話し合いの場、作業、スポーツやゲームなどにおいて「理屈に合わないことをむりやり押し通す」「周りから受け入れられていないのに、自分では良かれと思って物事をつき進めてしまう」「細かい対策や工夫をこらすことなく、とにかく力任せに相手を押し負かす」などの行為を「ゴリ押し」と呼ぶことができます。

近年は、同じタレントがテレビに頻繁に出ることに対し推し方が不自然だとして、芸能人の「ゴリ押し」と称されるケースがあるようです。

芸能界にはさまざまな事情があり、これは「ゴリ押し」の正しい使い方とはいえません。

「ゴリ押し」の類語や言いかえ

「ゴリ押し」の類語には「無理強い」【むりじい】や「押し売り」「横車を押す」【よこぐるまをおす】などがあります。

「無理強い」「押し売り」は、相手が嫌がっているのに無理に強要することです。

「横車を押す」は車を前に向かって押すのではなく横から押すことで、正しくない方法で無理やり実行しようとする強引さを指しています。

これらはほとんど同じ意味を表しており、互いに言い換えをすることが可能です。

まとめ

「ゴリ押し」は、魚を押し上げる漁法から生まれた慣用句で、無理やり物事を押し通すことの例えになっています。

近年は少し違った解釈で使う人が増えていますが、誤用には注意が必要です。

「ゴリ押し」の正しい意味をおさらいし、適切な表現を心がけていきましょう。