接客業で大切とされるのが「サービス」と「おもてなし」ですがこの2つは似ているようで全く異なる意味合いを持っています。
具体的にはどのような意味を持っているのでしょうか。
今回は、「サービス」と「おもてなし」それぞれの意味と違いについて解説します。
「サービス」とは?
「サービス」とは「人の労働によって生み出される無形の価値」が本来の意味です。
「サービス」を簡単に説明すると「人に対して何かをすること」ということであり、接客業においては「役務や奉仕など人の働きによる心地よさを上げる行動」という意味で使われています。
「サービス」には受ける側が主、提供する側が従という主従の上下関係が存在します。
一般的には金銭を対価に提供されるものであり経済学的には貨幣とひとによって行われる労働の価値交換がサービスであると定義されます。
ビジネスの世界では「サービス」も商取引の対象であり実態としてのモノと同じものと見なされます。
顧客はサービスを求めて代金を支払い、商人は対価を受け取ってサービスを販売します。
医療サービ者教育サービス、クリーニングサービスなど内容や性質にかかわらず労働を原資とする無形の価値のは全てがサービスです。
「サービス」の使い方
・高級ホテルだけあってサービスは一流だ。
・価値あるサービスを提供できなければ競争社会では生き残れない。
・斬新なサービスでビジネスを始める。
・職種はサービス業です。
「おもてなし」とは?
「おもてなし」とは、「相手を喜ばせる目的で心をこめて行われる歓待」という意味の言葉です。
「おもてなし」には相手に喜んでもらいたいという強い気持ちがこめられています。
最優先すべきは相手の喜びや心地よさでありそれを実現するために労を惜しまず骨を折って相手を迎え入れ歓待する行為が「おもてなし」です。
「おもてなし」には心尽くしの奉仕で相手に喜んでもらいたいという気持ちが強くこめられています。
「おもてなし」の使い方
・訪問先で手厚いおもてなしを受ける。
・外国からの旅行客をおもてなしする。
・この旅館は真心込めたおもてなしを売りにしている。
・おもてなしの心が伝われば必ず観光客は増えるはずである。
「サービス」と「おもてなし」の違い
「サービス」と「おもてなし」の違いはは損得勘定があるかないかです。
「サービス」は対価に対して提供されるものです。
労働や技術など目に見えない形ではあるものの取引の形態としてはお金と引き換えに品物を譲り渡すのと変わらず金銭などの利益が大きな目的です。
「おもてなし」の目的は相手に喜んでもらうことなので対価や利益は二の次です。
時には自分が損をすることもありますが相手が心地よくなってくれればたとえ損失が出ても成功とみなされます。
「サービス」は接客や技術提供など行為そのものを指す言葉ですが「おもてなし」はどのような意思によるものなのかを示すマインドを指す言葉です。
「サービス」を通じて「おもてなし」を実践することがあるように対立概念ではありません。
まとめ
「サービス」と「おもてなし」は混同されやすい言葉ですが本来の意味は全く異なる別の言葉です。
特に接客の現場では厳密な定義に基づいて言葉が使いわけられるので間違いのないように正しい意味を理解しておきましょう。