音楽にはさまざまなジャンルがあります。
数ある音楽ジャンルの中でも違いがわかりにくいのが「ソウル」と「ブルース」です。
どちらも熱烈なファンが世界中にいる人気の音楽ですが、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「ソウル」と「ブルース」の違いについて解説します。
「ソウル」とは?
「ソウル」とは、「ポップなリズムとメロディーが特徴的なアメリカ生まれの黒人音楽」です。
「ソウル」と呼ばれるジャンルは1960年頃に誕生した比較的新しい音楽です。
もともとアメリカには黒人音楽という伝統がありました。
独特のリズム感とメロディーが特徴的な黒人音楽はジャズを源流にいくつかの形に発展する形で細分化が進みましたが、その中でも一大勢力となったのが宗教音楽として世界的にも独自の発展を遂げた「ゴスペル」とリズムが特徴の「R&B」です。
「ソウル」はゴスペルのハーモニーとR&Bのリズムが融合してできた音楽です。
ノリの良い店舗に合わせて小気味良く歌うという黒人音楽特有のスタイルにハーモニーという美しさの要素が取り入れられ他にはない独特の魅力を持つ音楽ジャンルが誕生しました。
大衆音楽に欠かせないキャッチーかつわかりやすいメロディーとリズムを兼ね備えていたことから当時流行の最先端だったディスコでダンスミュージックとして使われるようになり大ヒット曲が次々と誕生しました。
現在でも熱烈なファンが世界中にいる人気ジャンルです。
「ソウル」の使い方
・ソウルを聞くと思わず体が動いてしまう。
・好きな音楽はソウルです。
・ソウル歌手のコンサートにいく。
・ソウルといえばモータウンが連想される。
「ブルース」とは?
「ブルース」とは、「黒人奴隷のワークソングを源流とするアメリカで誕生した黒人音楽」です。
「ブルース」の始まりはアメリカの黒人奴隷の間で自然発生的に誕生したとされるワークソング(労働歌)でした。
つらい労働の慰みとして誰ともなく歌い始められたワークソングはそれまでのアメリカ白人文化にはなかった独特のメロディーとリズムを持つ特有のものでした。
哀愁を帯びたそのメロディーはやがて白人ミュージシャンに取り入れられ現在のブルースの原型が誕生します。
現在演奏されているブルースは黒人を源流とし白人によって磨き上げられた独特の音楽となっています。
「ブルース」の特徴を一言で言うと「哀愁」です。
音楽的には「四分の四拍子」「12小節」が特徴で、憂いと悲しみを帯びたメロディーが魂に染みわたる独特の魅力となっています。
「ブルース」の使い方
・ギターでブルースを演奏する ・ブルース歌手のコンサートにいく。
・ブルースが流れると涙が零れそうになる。
・世界的に有名なブルース歌手が来日した。
「ソウル」と「ブルース」の違い
「ソウル」と「ブルース」の違いは「白人の影響」です。
「ソウル」は「ブルース」に強い影響を受けて生まれた音楽ジャンルです。
「ブルース」が黒人奴隷の音楽を源流に白人の影響を受けて誕生したことに対し一部の黒人は強い反発を覚えました。
音楽的な素晴らしさは認めつつ「白人の影響を受けているブルースは本来の黒人音楽ではない」という気持ちから誕生したのが黒人の魂を表現した音楽ジャンル「ソウル」です。
関係性で言うと「ブルース」は「ソウル」の親に位置します。
「ブルース」を父「ゴスペル」を母とし特徴を受け継いだのが「ソウル」です。
まとめ
「ソウル」と「ブルース」はどちらも黒人音楽の一種ですが歴史的な背景が大きく異なります。
それぞれの違いを知った上で聴き比べるとより一層味わい深いものになります。