「チクる」とは?
「チクる」とは決して良い意味で使われる言葉ではなく、いわゆる告げ口のことになります。
ある人物のことを別の第三者にこっそりと内密に告げることを指し、密告とも言い換えられるでしょう。
「チクる」内容は様々ですが、対象となる人物の隠しておきたい秘密であったり、過失や悪事などが一般的です。
つまり、他人に知られたくないであろう事を本人には無断でこっそりと第三者に教える事が「チクる」という行動にあたります。
「報告」とは?
「報告」の「報」は知らせや通知という意味がある漢字になります。
そのことを考慮すると「報告」の持つ意味は「知らせを告げる、教える」になるでしょう。
また、ある命令や指示を受けて、任務や調査を行い、その結果や状況を伝え述べる事も報告です。
そのため下の立場のものから、上の立場のものへの知らせや業務任務に関わる知らせが、報告特有の意味だと言えるでしょう。
「チクる」と「報告」の違い
「チクる」も「報告」もある情報や知らせを相手に告げる、教えるという点では同じです。
しかし、その内容やニュアンスは違うものを含んでいるのです。
先に述べた通り「チクる」内容は、自分以外の人物の秘密や失敗悪事といったおおよそ他人には知られたくない事柄になります。
一方「報告」の内容は、良いケースも悪いケースもありますし、人物が対象とは限りません。
仕事の進捗状況であったり、物事の結果を知らせる事も報告なのです。
また「チクる」には「こっそり、内密に」という意味がありますが「報告」にはそうした意味はありません。
「チクる」の具体例
「チクる」とは、どのような場合に使用するのか?どんな場面で使うのが適当な言葉なのか具体例をあげてみましょう。
「チクる」の具体例1
「同僚に上司の愚痴を言っていた事をチクられた」
上司に対しての愚痴は、明らかに相手には知られたくない事柄だと考えられます。
愚痴を言っていた事が知られると、何らかの不利益が生まれる可能性が高いものです。
それを分かっていながら、同僚が上司にその内容を告げるというのは、まさに「チクる」という言葉が相応しい行為だと言えるでしょう。
「チクる」の具体例2
「兄がテストの点数を母にチクる」
この文章からは、兄がテストで何点を取ったのかは分かりません。
しかし「チクる」という言葉が使われている事から、決して良い点数ではなかった事が推測出来ます。
チクるは、良い知らせや嬉しい内容には決して使いません。
このように相手が知られるとまずい事柄や隠しておきたい内容について、こっそり報告する場合にも「チクる」を用いるのです。
「チクる」の具体例3
「チクられるような事をした人が悪い」
「チクる」という行為は、決して周りから受け入れられる行為ではありません。
しかし、その人に何の問題もなければ、そもそもチクられる事はないという考え方もあります。
つまりチクるという言葉や行為は、相手にも程度はあれども何かしらの問題がある場合にのみ使用する言葉なのです。
何の落ち度もない人間に対しては「チクる」事は出来ません。
「報告」の具体例
次に報告の具体例についても見ていきましょう。
報告も様々な場面で使用される言葉ですから、具体例が役立ってくるはずです。
「報告」の具体例1
「部下から現場の状況に関する報告を受けた」
このように報告は、ビジネスシーンでも頻繁に使われる言葉になります。
特に部下から受ける知らせのことを「報告」と表現するケースが多いものです。
上記のように何か問題は起きていないか、進行具合はどうなっているのか等、現場の状況を伝えさせるのも「報告」にあたります。
「報告」の具体例2
「長年の研究結果を報告書にまとめる」
研究や調査の結果をまとめてレポートすることを「報告」と表現する事が出来ます。
また、この例からも分かる通り、報告とは口頭で伝える事とは限りません。
文書などで伝えることも報告と言えるのです。
「報告」の具体例3
「春には良い報告が出来るように受験勉強を頑張ります」
報告という言葉は、仕事や研究、調査などの場面だけで使われるものではありません。
単純に上記のような「知らせ」という意味で使われる事もあります。
例えば上記は合格の知らせを良い報告という言葉を使って表現しているのです。
「チクる」と「相談」の違い
「チクる」と「相談」は全く意味の違う言葉です。
「相談」とは、ある問題や悩みなどを解決する為に相手に意見を求めることを意味します。
「チクる」は、問題を解決する為の手段でもなく、相手に意見を求める事でもありません。
単に人の過失や悪事を告げ口する、それが「チクる」ですから、相談とは根本的に意味が違うのです。