日本は南北に長い国土がありますが、それでも地球上にはもっと北にありもっと寒い地形もあります。
そういった寒冷地を指す言葉で、「ツンドラ」や「タイガ」がありますが、単語を聞いたことしかなく、意味を知らない人も多いでしょう。
この記事では、「ツンドラ」と「タイガ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ツンドラ」とは?
「ツンドラ」とは北アメリカ大陸の北端や、ユーラシア大陸の北端、南極大陸やその周辺などにある、荒野地帯を指す言葉です。
「ツンドラ」は北極周辺や南極周辺の他、標高の高い山の上にも存在します。
気温が非常に低く、地面が凍りついており、降水量も少ないことから樹木が生息することはできません。
また北極周辺や南極周辺の「ツンドラ」は、地下に一年通して融けることがない、永久凍土が広がっていることも、「ツンドラ」と呼ばれる条件の一つです。
しかし地下は一年中凍りついたままですが、気温のあがる夏には地表が融け、苔や草が繁茂するので不毛の大地というわけではなく、遊牧や狩猟、漁業を生業とする人達も生活しています。
「タイガ」とは?
「タイガ」は北アメリカ大陸やユーラシア大陸の北部にある、モミやカラマツなどの針葉樹が林となって生い茂っている地帯です。
亜寒帯地方であり、「タイガ」の地下にも一年中凍った湿地である永久凍土が広がっていますが、一年で最も暖かい時期には平均気温が10度を超えるので、地表の水分も融けますし、樹木も成長できます。
「タイガ」も降水量は少ない乾燥地帯ではありますが、暖かい時期に雨が集中し、その頃には地表近くの水分が融けるので、年間の降水量は少ないものの、樹木の成長には十分です。
「タイガ」に生えている樹木は地域によっても違い、広葉樹も多少生えていますが、大部分は針葉樹であり、「タイガ」という言葉自体に、高緯度の針葉樹林帯という意味があります。
「ツンドラ」と「タイガ」の違い
「ツンドラ」と「タイガ」はどちらも北アメリカ大陸とユーラシア大陸北部にある地形ですが、植物と緯度が違います。
「ツンドラ」は北極海沿岸のような、大陸の北端にある地域で、樹木は成長することはできず、「ツンドラ」に生えている植物はコケや背丈の低い草です。
「タイガ」は「ツンドラ」の南にある地域で、「ツンドラ」よりは気温も多少高く、十分な水分も確保しやすいため、背の低い草だけでなく、針葉樹も生えて林を形成しています。
また「ツンドラ」は緯度が関係ないので南極海周辺や高山地帯にも「ツンドラ」はありますが、「タイガ」は高緯度の針葉樹林帯を指すので、北アメリカ大陸とユーラシア大陸の北部にしかありません。
まとめ
日本には「ツンドラ」も「タイガ」もないので、どちらもあまり馴染みのある言葉ではないでしょう。
ですが「ツンドラ」は最北端など寒すぎて木が生えない地域、「タイガ」は少し南で林がある地域と覚えておくと、旅行の際や雑学として役立つ可能性はあります。