働き方の多様化が進む現代では、出勤する時間のルールについても様々なものがあります。
「フレックスタイム制」や「時差出勤制」を採用する企業も増えてきていますが、この2つにはどんな違いがあるのでしょうか。
この記事では、「フレックスタイム制」と「時差出勤制」の違いを分かりやすく説明していきます。
「フレックスタイム制」とは?
「フレックスタイム制」とは、一定期間の総労働時間を定めておき、その範囲内で労働者が各日の始業・終業の時刻を選択して働く制度のことです。
「フレックスタイム制」は、通常、コアタイムとフレキシブルタイムから構成されます。
コアタイムは、必ず働かなければならない時間で、フレキシブルタイムは、労働者が各自の判断で始業・終業時間を決められる時間のことです。
「フレックス」は、英語の“flex”からきており、この単語は、曲げること・畳むことの他に、物事を柔軟に扱ったり行ったりするさまを表します。
つまり「フレックスタイム制」は、始業や就業の時刻を柔軟に扱う制度のことです。
「フレックス」を使った熟語には、フレックス燃料、フレックストラベラー制度などがあります。
「フレックスタイム制」の使い方
「フレックスタイム制を導入する」「フレックスタイム制を採用する」などの形で使われます。
「フレックスタイム制」の中でも様々な種類があります。
具体的には、コアタイムとが決められている「単純フレックスタイム制」、1日の最長労働時間が決められており、その時間内で始業・終業時間を各自で決める「弾力的フレックスタイム制」、コアタイムの設定のない「可変的労働時間制」などです。
「時差出勤制」とは?
「時差出勤制」は、決められた範囲の中で出退勤時間を選べる制度のことです。
この制度は、通勤時の交通混雑緩和を目的としてる作られました。
1日の労働時間はあらかじめ決められているため、出勤時刻を自分で決めれば自動的に退勤時刻も決まります。
例えば、労働時間が8時間で休憩時間が一時間と決められている会社の場合、9時に出勤すれば退勤時刻は18時になります。
「時差出勤制」の使い方
「時差出勤制を導入する」「時差出勤制を採用する」などの形で使われます。
「フレックスタイム制」と「時差出勤制」の違い
「フレックスタイム制」は、コアタイムに働いている限り、始業・終業の時間、1日の労働時間を労働者が自由に決めることができますが、「時差出勤制」は、1日の労働時間はあらかじめ決まっているため、実質的に労働者が自由に決められるのは、始業時間のみです。
また、「フレックスタイム制」は、労働者の働きやすさを確保するために働く時間を労働者に自由に決めさせる制度ですが、「時差出勤制」は、交通の混雑を緩和するために労働者の出勤時間をずらす制度です。
まとめ
「フレックスタイム制」は、「時差出勤制」よりも労働者が自由に決められる範囲が広い制度です。
また、制度の目的という点でもこの2つの制度には違いがあります。