この記事では、「ペーパー離婚」の意味を分かりやすく説明していきます。
「ペーパー離婚」とは?意味
まず、この場合の「ペーパー」とは単なる紙切れのことではありません。
離婚届けをする際に必要な届書(用紙)のことです。
離婚をするためには、市役所へ離婚届の提出が求められます。
具体的には、名前や住所などを記入するのですが、この届書は市役所やダウンロードによって入手可能です。
離婚とは、婚姻関係にあった夫婦が届書の提出を経て関係を解消すること。
ペーパー離婚とは、通常の離婚と同じように届書の提出を行い、法律的には婚姻関係を解消したものの、実生活における関係性は以前のまま継続することを意味します。
分かりやすく言うと、事実婚の関係になるということです。
そのため、ペーパー離婚をしてもそのまま一緒に家族として暮らしていれば、近所の人が気付くことは不可能です。
「ペーパー離婚」の概要
ペーパー離婚をした人たちは、なぜそのような選択をしたのでしょうか。
多くの場合、結婚によって姓を変えた人たちが旧姓に戻りたいがためにペーパー離婚を選択します。
例えば、結婚によって夫の姓になった妻が、仕事中に名前が変わった後に不便を感じることは間々あります。
その点に大きく不満を抱き、夫は何ら変わることなく過ごしていることに不平等感を抱き、話し合った結果としてペーパー離婚を選択するわけです。
お互いに嫌になった通常の離婚とは異なり、ペーパー離婚して一緒に居続け、且つ不満を解消できるという解決策なのです。
「ペーパー離婚」の言葉の使い方や使われ方
ペーパー離婚をテーマにした会話を例に挙げ、どのように使われているのかご紹介します。
『あの夫婦、離婚したって聞いたけど一緒に住んでるっておかしくない?偽装離婚じゃないの?』
『私もそう思って聞いたら、ペーパー離婚だからって説明されたよ。奥さんがどうしても旧姓に戻りたいらしい』
『どう違うのか、さっぱりわかんないけど』
さて、会話の中の話のように「ペーパー離婚をする」というと、偽装離婚と勘違いをされて悪者扱いされてしまうことが間々あります。
離婚事情に疎い人にとって、ペーパー離婚も偽装離婚も同じと思い込んでしまうのですが、実は違います。
ペーパー離婚は別姓になりたくて届書を出して事実婚状態になること。
偽装離婚は児童扶養手当などの公的支援、財産分与によって自己破産となったときの財産を守る目的であるため、ペナルティが発生します。
「ペーパー離婚」の類語や言いかえ
ペーパー離婚をすることで法律上は離婚するものの、パートナーであり続けることから、結果的に事実婚となります。
まとめ
日本では、夫婦別姓のための法整備が遅れています。
そのため、致し方なくペーパー離婚をする夫婦が徐々に増えてきました。
このこと自体は本人たちさえ納得していれば非難されるべきことではありません。
偽装結婚と後ろ指を指されないためには婚姻関係契約公正証書の作成、添い遂げるパートナーのために遺言公正証書の作成を忘れないことが大切です。