この記事では、「レイバーコスト」の意味を分かりやすく説明していきます。
「レイバーコスト」とは?意味
レイバーコストとは英語ではLabor Costで、人に関わるコスト、すなわち経費のことです。
日本語では人件費あるいは労務費という用語がレイバーコストに当たりますが、この2つは英語ではレイバーコストで同じなのですが、管理会計上では違う意味を持ちます。
一般的には、人事給与面での用語が人件費で、主に原価計算で使われるのが労務費です。
「レイバーコスト」の概要
まずは、人件費という語で表されるレイバーコストに関して説明します。
人件費というのは企業活動における経費のうち人に対して支払われる経費の全てを言います。
給与手当、賞与、福利厚生費や退職金等が人件費に当たります。
それに対して労務費は製造原価や売上原価のうち人に関する原価のことを指します。
労務費も実際に支払われるのは前述の給与手当のような形になるのですが、原価計算においてはそれぞれの適切な仕分けがされます。
例えばAさんがいくつかの商品の製造を担当しているとするとAさんに支払われた給与等のうち製品の製造に関連する業務分の金額が製造原価の中の労務費になります。
製造原価には労務費の他に材料費やその他の経費(光熱費や家賃等)があります。
原価計算にはこのほかに直接費と間接費に仕分ける方法もあります。
この場合、製品の製造に直接関わっている社員の人件費が直接費であり、人事部門や経理部門などの間接的に製造に関わっている社員の人件費が間接費となります。
「レイバーコスト」の言葉の使い方や使われ方
ここまで、レイバーコストとは人件費や労務費のことを指すということを述べてきましたが、一般的には、人件費や労務費という言葉の方が今も多く使われています。
これは経費のことをコスト言うケースが非常に多いという状況とは違っています。
では、どんなシチュエーションの時に、これらをレイバーコストというカタカナ語で置き換えるのでしょうか。
現在世界をリードしているのはGAFAと呼ばれる企業で、日本企業も多くがこれらの企業が関わるビジネスに依存しています。
これらの企業は全てアメリカをベースに活動しているので、当然それらが関係するプロジェクトにおいては日本法人の担当者であっても英語ベースの用語を使います。
そういうことがあり、日本企業もそのような用語に慣れてきています。
例えば、プロジェクト管理においては範囲のことをスコープ、成果をアウトプット、計画の節目のことをマイルストーンと呼ぶのは今や当然です。
同じようにお金の話をしているときに予算をバジェット、資産をアセットと言う流れで人件費のことをレイバーコストあるいは単にレイバーと呼ぶような慣習が定着してきています。
「レイバーコスト」の類語や言いかえ
ここまで記述してきたように、レイバーコストは本来の日本語である人件費や労務費と呼ばれることが最も一般的です。
まとめ
レイバーコストという言い方はすでに一般的になっています。
これは前述のようにGAFAの活躍が背後にあるとともに、SNSが特に若者のコミュニケーションの主要な手段となっている昨今では、一部のインフルエンサーが使う言葉があっという間に関連コミュニティの間で標準となり、その後コミュニティ外まで波及して行くのは日常的な流れです。
今後もこのようなカタカナ語はどんどん増えてゆくと考えて良いと思います。