「一品」と「逸品」の違いとは?分かりやすく解釈

「一品」と「逸品」の違いとは?違い

同音異義語というのは外国人だけでなく、我々日本語話者をも悩ませるものですが、これに意味や使われている漢字が違うと投げ出したくなるのではないでしょうか。

英語などにも、スペルがたった一文字違うだけでとんでもない意味になるものなどがあり、これは全ての文化に共通する面白い悩みの一つです。

今回はそんな中でも『一品』と『逸品』について焦点を当てて見てみましょう。

『品』が示す通り、何かの品物を指し示す言葉ですが、意味は当然使われている漢字が違いますので大きく変わります。

この記事では「一品」「逸品」の違いを分かりやすく説明していきます。

「一品」とは

この単語の意味はそのまま読んで字のごとく『一つの品』を表す言葉です。

よく『一品料理』などの言葉がありますが、これは『簡単な一品だけの料理』という意味を指し示します。

もちろん、ここに形容詞を付けることで、変化を与えることもできます。

例えば『優れた一品』や『貴重な一品』という言葉はテレビや雑誌などで誰しもが必ず目にしたことがあるはずです。


「逸品」とは

一方この『逸品』は『この上ない素晴らしく優れた出来の品物』という意味を表します。

『逸』という漢字そのものに『常識の枠を越して優れている』という意味も込められており、ここに『品』をつけてこの上ない賞賛をする言葉になります。

例えばガラクタなどの中から素晴らしい掘り出し物があった場合は『これは素晴らしい逸品だ!』と言って見つけたことを喜んだり、品物の出来栄えを褒めたりすることがあります。


「一品」と「逸品」の違い

この二つは『一つの品』なのか『素晴らしく優れた品』なのかという違いで使い分けることが出来ます。

しかし、疑問を感じる方がいらっしゃるかもしれません。

それは最上級の誉め言葉の一つでもあり、高い人気を誇るラーメンチェーン店の名前でもある『天下一品』です。

実は『一品』という言葉にも『優れた品』という意味も込められています。

いよいよ混乱しそうですが、基本は単体で使う場合は『一品』と『逸品』は違うものとして考えて頂いても間違いではありません。

「一品」の例文

・『さて、今回出て来るシェフの一品はどの様なものになっているのでしょうか。』

・『この一品は他では手に入らないなかなか貴重なものです。』

・『今度のピクニックには一人一品を作って持ってきて下さい。』

「逸品」の例文

・『この一振りは他の日本刀には見られない特徴を持つ素晴らしい逸品である。』

・『坂田さんの持つコレクションの数々はどれもが逸品揃いだった。』

・『長年教会が公開しなかった秘蔵の逸品がとうとう今回公開されることになった。』

まとめ

如何でしたでしょうか。

同じ『品』を表す言葉でしたが、微妙なニュアンスの違いがあること、そして実は『一品』も『逸品』も同じ『優れた品』という意味をもつこともあるということもご理解頂けたのではないでしょうか。

同音異義語の中でも少しトリッキーな部類に入るのが今回の『一品』と『逸品』でした。

是非メディアや雑誌などでこの漢字を、見かけた場合は少し注意してどちらの意味として使われているのかを考えてみては如何でしょうか。

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