何かに対して挑戦する時の様子を表す言葉に「万全の状態で臨む」という表現があります。
スポーツの試合などでよく聞く表現ですが具体的にはどのような意味なのでしょうか。
今回は、「万全の状態で臨む」の意味と類似表現について解説します。
「万全の状態で臨む」とは?意味
「万全の状態で臨む」とは、「すべての準備を整えた最高の状態で事にあたる」という意味の言葉です。
「万全の状態で臨む」の概要
「万全の状態で臨む」の「万全」とは「完全」とほぼ同じ意味を持つ言葉です。
「少しの手落ちもなく全てが整っていて完璧であること」を表しており似たような表現として「十全」があります。
「現状で出来うる限りの準備を行い少しの手落ちも手抜かりもない」のが「万全」でありそのように完璧な状態を「万全の状態」と表現します。
「臨む」は「事にあたる」「挑む」など「自分よりも大きな物事に対して取り組むこと」を意味する言葉です。
「万全の状態で臨む」で臨むとは「見落としのない完璧な状態で大きな物事に取り組む」という意味であり、最高の用意をして本番に挑む様子を表しています。
対する物事によって「万全の状態」の具体的な内容は異なります。
スポーツの試合なら体調を整えたり練習を積んだり用具を揃えたりといった試合前にやるべきことをやっておくことで「万全の状態で臨む」が達成できます。
裁判なら証拠や証言を集めたり想定問答で練習したりといった事前準備をすることが「万全の状態で臨む」につながります。
「万全の状態で臨む」の「万全」が指しているのは絶対的な完璧さではなく現状で出来うる限りの完璧さです。
実現不可能なことや到底入手できないものなどは含まれておらず、一般常識として考えられる範囲での準備や用意を表しています。
「万全の状態で臨む」の言葉の使い方や使われ方
・万全の状態で臨むためにオリンピック本番までに怪我を治したい。
・明日の試合に万全の状態で臨むために今日は早く寝よう。
・万全の状態で臨むには資金が足りない。
・食事管理を徹底して万全の状態で臨む。
「万全の状態で臨む」の類語や言いかえ
・準備万端整えて臨む
「もろもろの準備を完璧に整えて事にあたる」という意味の言葉です。
本番前に準備や用意が完全である様子を表す言葉で「万全の状態で臨む」とはとても良く似た意味です。
「万全の状態で臨む」が自分の隊長を含む状態を強調しているのに対しこちらは道具の調達や根回しなど外部に対する用意や備えが強調されているという違いはありますが、基本的にはほぼ同じ意味であり置き換えも可能です。
・ピークを合わせる
「ピーキングを行い本番当日にコンディションのピークが来るよう調整する」という意味の言葉です。
主にスポーツで使われる言葉で体調や感覚などを最良の状態にするという肉体的な準備に対して用いられる表現です。
「万全の状態で臨む」に比べると肉体的な要素に特化していますが、身一つで戦うスポーツなどでは近しい意味合いになります。
・やれるだけのことをやってから臨む
「できることをすべてやった上で事にあたる」という意味の言葉です。
「万全の状態で臨む」が具体的な成果が出ているのに対し、こちらはあまり効果は期待できないが成果の有無に関係なく手をつくしている様子を表しています。
「万全の状態で臨む」が前向きなのに対し、こちらは勝てる可能性が低いような後ろ向きな要素を含む表現です。
まとめ
「万全の状態で臨む」はスポーツニュースなどでよく使われる言葉です。
それほど難しい意味ではないのでこの機会に正しく理解しておきましょう。