集まりの終わりなどに使われる言葉「三々五々」とはどのような意味合いなのでしょうか。
今回は、「三々五々」の意味と類似表現について解説します。
「三々五々」とは?意味
「三々五々」とは、「統制なくバラバラに」という意味の言葉です。
「三々五々」の概要
基本的には大勢の人が集まっているときの様子を表す言葉で、本来の意味は「三人から五人程度の少人数どうして固まってそれぞれが勝手に行動すること」という意味の言葉でした。
軍隊のように集団としてきっちり統制がとれていれば全員がひとつの目的のもとに一丸となって行動しますが、そうではなくそれぞれがバラバラに行動していて統制が取れていない様子を指して「三々五々」と表現します。
集団がバラバラに行動しているもののそれぞれの個人が独立して行動しているわけではなくよく見ると少人数の塊ができているのが本来の意味での「三々五々」であり、「勝手気まま」や「自由に」という意味ではなく「目的や規則の下に行動しているが厳しく管理されているわけではなくそれぞれがゆるやかに従っている状態」を表します。
出展は中国の古典「採蓮曲」の一節だとされています。
花を摘む女性を見ようとあちこちに男たちが集まっている様子を指した「三三五五」という言葉が広まり現在の意味になったとされています。
「三々五々」の「三」と「五」は少人数が連れ立っていることを表しているだけで数字に意味はありません。
集団に少人数の塊ができていれば「三々五々」であり、三人や誤認ではなく十人程度であっても全体から見て少人数の塊であれば成立します。
一般的には「多くの人がバラバラに集まったり解散したりする様子」を指す言葉として使われます。
集団の中に少人数の塊ができてそれぞれ行動するというシチュエーションは現代においてそれほど多くありません。
最も代表的な例が集合と解散であり、入場行進や退場行進のように全員が統制のとれた行動で集まったり散ったりするのではなくそれぞれが勝手に集合したり解散する様子を指して「三々五々」と表現します。
「三々五々」の言葉の使い方や使われ方
・集合場所には三々五々人が集まってきた。
・運動会終了後、感染していた父兄は三々五々帰っていった。
・開会式は行進で入場したが、閉会式では三々五々入場してくる。
・始業の合図とともに部下たちは三々五々仕事を開始した。
「三々五々」の類語や言いかえ
・思い思い
「各々がそれぞれ思うようにふるまうこと」という意味の言葉です。
統制されることなくそれぞれが自分の考えで行動するという点が「三々五々」と共通しています。
「三々五々」がバラバラであることを強調しているのに対し、こちらはそれぞれの考えが強制されておらず自由であることを強調しています。
・てんでんばらばら
「似たようなところがなく全く違うこと」を意味する言葉です。
どこを見ても同じ所も似ているところもないほど違っていることを表す言葉で、人に対して使う場合は個人によって大きな違いが見られることを指す表現です。
解散するときに人々が違う方向へ散っていく様子など「全員が違う行動を取ること」も表します。
・まちまち
「それぞれ違っていること」を意味する言葉です。
個別に違いがあることを指しており、集団の中で行動がわかれる様子を意味する「三々五々」と似た意味で使われます。
まとめ
「三々五々」はやや古い表現で現在ではやや廃れているもののまだまだ現役で使われている言葉です。
文字からでは意味を推測できない言葉なのでこの機会にきちんと覚えておきましょう。