「不合理」と「不条理」の違いとは?分かりやすく解釈

「不合理」と「不条理」の違い違い

この記事では、「不合理」「不条理」の違いを分かりやすく説明していきます。

「不合理」とは?

「不合理(ふごうり)」とは、「理屈・論理(道理)に合っていなくて矛盾があるさま」を意味している言葉です。

「不合理」というのは、「その人の話・思考内容などに論理的な筋が通っていないこと、理屈として成り立たないこと」を意味しているのです。

例えば、「ストレスの影響で不合理な言動が目立つようになりました」などの例文で使用できます。

「不合理」の表現は、「日常的な人間関係・一般的な場面」で使われやすい言葉としての特徴を持っています。


「不条理」とは?

「不条理(ふじょうり)」とは、「道理に合っていなくて筋道が通らないこと」「良識に反していて納得できないこと」を意味している言葉です。

「不条理」という表現には、「人生に何の意義も価値(目的)も見いだせない非合理な人間存在の絶望的状況」という作家アルベール・カミュが提唱した実存主義哲学の意味合いもあります。

例えば、「不条理で悲惨な事件に同情を感じました」「人間という不条理な存在は常に苦しみを抱えています」といった例文で使われます。


「不合理」と「不条理」の違い!

「不合理」「不条理」の違いを、分かりやすく解説します。

「不合理」「不条理」もどちらも、「道理・理屈に合っていなくて矛盾していること」という類似の意味合いを持っています。

しかし、「不合理」「日常的な人間関係・非哲学的な話題(内容)」で頻繁に使われやすいのに対して、「不条理」のほうは「人生の意味・価値と関係する実存主義の哲学的な話題(内容)」で使われやすいという用法の違いがあります。

「不合理」の表現は「論理・道理に合わない矛盾」に意味の重点が置かれていますが、「不条理」のほうは「人間と人間あるいは人間と世界の関係が道理に合っていなくて意味(価値)がないこと」に意味の重点が置かれている違いを指摘できます。

「不条理」には「意味・価値・目的を欠いた近代的な人間存在(神が死んだ世界における人間)の矛盾したあり方に絶望を感じる」という実存主義の意味のニュアンスがありますが、「不合理」にはそういったシリアスな哲学的意味はないのです。

まとめ

「不合理」「不条理」の違いを説明しましたが、いかがだったでしょうか?

「不合理」とは「話・思考に論理的な筋道が通っていないこと」「日常の人間関係や非学術的な内容において矛盾があるさま」を意味していて、「不条理」「道理に合っていなくて良識に反していること」「非合理かつ無意味な人生の絶望的状況」を意味している違いがあります。

「不合理」「不条理」の違いを詳しく調べたい時は、この記事をチェックしてみてください。

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