「不況」と「デフレ」の違いとは?分かりやすく解釈

「不況」と「デフレ」の違い違い

経済に関するニュースでよく目にする「不況」「デフレ」という言葉ですが、この二つは似ているようで実は全く違う言葉です。

この記事では、「不況」「デフレ」の違いを分かりやすく説明していきます。

「不況」とは?

「不況」とは、景気循環の一局面で、経済が停滞している状態のことを指します。

「不況」においては、雇用量・生産量などの縮小、物価・賃金や利子などの低水準が続きます。

ちなみに、「景気循環」とは、資本主義経済において好況と不況が交互に発生する周期変動のことです。

似た意味を指す言葉として、「不景気」がありますが、こちらは経済活動に活気がないことや商売が繁盛していないことを意味します。

「不況」の対義語は「好況」で、「不景気」の対義語は「好景気」です。

「不況」は、英語で“recession”といいます。


「不況」の使い方

不況の原因となった出来事やその不況の特徴を表す言葉と合わせて、「コロナ不況」「円高不況」「なべ底不況」という使い方をすることがあります。

「なべ底不況」は、1957年から1958年にかけて続いた不景気で、中華鍋の底を這う形で長期化する、という予想から名づけられました。

「不況が続く」「不況から脱出する」という形で用いられます。


「デフレ」とは?

「デフレ」は、“deflation”(デフレーション)の略語で、一般的物価水準が継続的に下落し続ける現象を指す言葉です。

「デフレ」は、通貨の収縮、金融の梗塞、生産の縮小、失業の増加などを引き起こします。

対義語は“inflation”(インフレーション)で、「インフレ」と省略されます。

「デフレ」の使い方

「デフレスパイラル」という言葉がありますが、これは物価下落と利益減少が繰り返される深刻な状況を指す言葉です。

「デフレインパクト」は、デフレの引き金になる要因のことです。

「デフレ」に陥った状況を改善することを「デフレ脱却」「デフレ解消」と言います。

「不況」と「デフレ」の違い

「デフレ」は、物価の継続的な下落を指す言葉なので、「デフレ」だからと言って必ずしも「不況」であるとは限りません。

また、「インフレ」「不況」が同時に起こることもあります。

とはいえ、「デフレ」「不況」の時に起こりやすく、「インフレ」「好況」の時に起こりやすいため、これらは密接な関連があるといえるでしょう。

「不況」の例文

・『コロナ不況で近所の飲食店がつぶれてしまった。』

・『このまま不況が続くと、この会社の存続も危うい。』

・『この長引く不況の責任は政府にある。』

・『不況から脱出するための政策が望まれる。』

「デフレ」の例文

・『デフレのせいで株取引に失敗した。』

・『デフレスパイラルが続いている。』

・『デフレ脱却のための具体的な対策が必要だ。』

・『デフレの影響が雇用にも出始めている。』

まとめ

「デフレ」は物価が下がること、「不況」は経済が停滞することなので全く違う言葉ですが、この2つは密接に関連するものであることも覚えておきましょう。

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