「不注意」と「過失」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「不注意」と「過失」の違いとは?違い

この記事では、「不注意」「過失」の違いを分かりやすく説明していきます。

「不注意」とは?

「不注意」とは、注意や気配りが足りない、集中力に欠けることです。

「不注意」という言葉は、「注意」に打消しの意味を持つ「不」が付いており、注意がない、注意しないことを表しています。

注意が足りないと、目の前の目的に集中できず、間違いや忘れ物をしやすくなります。

またとっさの判断ができず、ケガや事故を起こりやすくなります。

「不注意」は主に、何か問題や事故が発生した際、問題や事故が起こらないようきちんと注意していたかが問われるときに使われる言葉です。

「不注意」の類語には「粗忽」【そこつ】、「不行届き」【ふゆきとどき】、などがあります。

「粗忽」は軽はずみでそそっかしいこと、「不行届き」は気配りがすみずみまで至らないことを表し、注意が不足している状態を表しています。


「不注意」の例文

・『私の不注意で、飼っているインコを外へ逃がしてしまった』
・『運転中のヒヤリハットは不注意によって起こりやすい』

「過失」とは?

「過失」【かしつ】とは、注意が足りていなかったために起きた失敗、過ちのことです。

法律用語では「どのような結果が起きるのか予見できたはずなのに、結果の発生を回避する義務を怠ったこと」を指します。

法律上では、犯罪や事故が起きたとき、それが「故意」にとるものか「過失」だったのかによって、負うべき罪や責任は変わってくるのです。

たとえば民法では、犯罪や事故を起こす意図がなかったとしても、注意を怠ったことが原因ならば「過失」にあたり、損害賠償の支払い義務が生じることになります。

刑法では、犯罪や事故を起こす意図がなかった場合でも、犯罪や事故の発生は回避できたであろうと解釈されれば「過失」とみなされ、罪が問われることになります。

また「故意」に犯罪や事故を犯した場合と罪の重さは変わります。

「過失」の類語には「過誤」【かご】、「落ち度」、があります。

「過誤」は大きな過失を、「落ち度」は手落ちがあったことを表していて、「過失」とは微妙にニュアンスが異なります。


「過失」の例文

・『過失によって医療事故が起こる』
・『その交通事故は、加害者にも被害者にも過失があった』

「不注意」と「過失」の違い

「不注意」「過失」の違いを、分かりやすく解説します。

「不注意」は注意や気配りが不足している、集中力が欠けていることです。

「過失」は注意が足りていなかったために失敗や過ちを犯すことです。

つまり「過失」「不注意」によって起こるということです。

「過失」は失敗や過ちを指しますが、「不注意」は人の態度を表しているところも両者の違いと言えます。

まとめ

「不注意」「過失」はニュアンスが似ているように感じられますが、定義や意味は異なっています。

「過失」は法律用語にもなっており、非常に重要な意味を持っています。

いざというときに役立つので「不注意」「過失」の意味をしっかり把握しておくとよいでしょう。

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