こちらの記事では、「不渡り」と「貸倒れ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「不渡り」とは?
「不渡り」とは、ふわたりという読み方をする言葉です。
~ではない、とか、~しないといった意味を持つ不の文字に、わたるといった意味を持つ渡の文字を加える事で、生まれた言葉となっています。
意味としては、手形や小切手が支払期限を過ぎても債務者から債権者に額面金額が支払われない、といった状態を表す言葉として用いられているのです。
「不渡り」の使い方
「不渡り」という言葉は、基本的に現金ではなく、小切手や手形での支払いが行われない際に使うべき言葉となっています。
そのため、シンプルに借りたお金を返せないという状況に対しては、不渡りという言葉が用いられる事はありません。
具体的な使い方としては、不渡りを出す、とか、不渡りとなった、といった表現が見られます。
また、2度の不渡りを続けて出してしまった会社には、事実上の倒産、といった表現をされる事も多いです。
「貸倒れ」とは?
「貸倒れ」とは、かしだおれという読み方をする言葉となっています。
文字を見れば分かりますが、かす事という意味を持つ貸の字と、たおれる、とか、ひっくり返るという意味を持つ倒の文字を組み合わせる事により、成立している言葉です。
だからこそ、貸付金や売掛金といった債権が、相手方の倒産等の理由によって回収出来ずに損失として終わってしまったり、その損失額を意味する言葉となっています。
「貸倒れ」の使い方
「貸倒れ」は、貸すという文字が用いられている事でも分かる様に、借りる側ではなく貸す側が用いるべき言葉です。
要するに売掛金や貸付金といったお金が、回収出来ずに終わってしまう時に、貸倒れとなる、といった表現として使われるケースが多く見られます。
「不渡り」と「貸倒れ」の違い
「不渡り」と「貸倒れ」はどちらも、本来は受け取るべきお金を受け取れない場合に、用いるべき言葉です。
ただし不渡りの方は、将来支払われるべき時期や金額が書かれた手形が債務者の都合で換金出来なくなった際に使用する言葉となっています。
一方の貸倒れの方は手形ではなく、シンプルに貸したお金や支払われるべきお金が、相手の都合により支払われなくなってしまった場合に使う言葉です。
「不渡り」の例文
・『噂通り、あの会社は遂に不渡り出してしまったからそろそろ危ない様だ』
・『2度も不渡りを出した事で、事実上の倒産に追い込まれた』
「貸倒れ」の例文
・『長引く不況によって近年、住宅ローンの貸倒れリスクが高まっている』
・『あの企業は資金繰りの苦しんでいる様だから、ますます貸倒れとなる可能性が高まってしまった』
まとめ
2つの言葉はどちらも、受領すべきお金が受領出来なくなってしまった際に、使用する言葉となっています。
ですが「不渡り」の方は、手形や小切手に関連したお金が受け取れない場合に用いるべき言葉です。
「貸倒れ」は、単純に貸したお金や売掛金の受け取りが、困難になってしまったケースで用いるべき言葉となっています。