「世間知らず」と「常識知らず」の違いは?分かりやすく解釈

「世間知らず」と「常識知らず」の違いは?違い

知ってて当然のはずのことを知らない人を指す言葉として「世間知らず」「常識知らず」があります。

どちらも同じような場面で使われる言葉ですがこのふたつには明確な違いがありそれぞれ意味する内容は全く異なります。

今回は、「世間知らず」「常識知らず」の違いについて解説します。

「世間知らず」とは?

「世間知らず」とは「世の中や社会のことをよく知らない人」を指す言葉です。

一般的に世間知らずというのはその人の年齢にあったふさわしい社会経験や体験が不足している状態を指しています。

「世間知らず」「世間」は世の中や社会という意味ですが「多くの人が集まり生活している場」というもっとくだけた意味合いがあります。

そこで暮らしている大多数の人が経験しているであろうことを経験していない人、体験していない人をさして「世間知らず」と表現します。

「世間知らず」には「世間と関わっていれば当然体験していること、知っていて当然のことを知らない」というニュアンスがあります。

世間との関わりが薄いがために経験や知識が欠け落ちてしまっている状態が「世間知らず」であり浮世離れした人や世俗との関わりが薄い人をさして使われます。


「世間知らず」の使い方

・大谷翔平を知らないなんて世間知らずにも程がある。

・蝶よ花よと箱入りで育てられたのだから世間知らずなのも当然だ。

・あいつは世間知らずだからいつも意見が的外れだ。

・世間知らずで悪気がないからといっても到底許されない発言である。


「常識知らず」とは?

「常識知らず」とは「当然身につけているべき一般常識がない」ことを指す言葉です。

「常識知らず」「常識」とは社会の構成員として当たり前のものとなっている物事や知識、行動様式やルールのことです。

そのような当たり前のことが身についていない状態が「常識知らず」であり不適格で好ましくない状態を表しています。

「常識知らず」には「経験が浅く知識が不十分である」という意味もあります。

常識は生まれ持ったものではなく生きていく上で学び修得するものです。

常識を身につける時間や経験が十分でなければ「常識知らず」なのは当然であることからある特定の分野において経験不足により知識が不十分であることを指して「常識知らず」という表現が用いられます。

「常識知らず」の使い方

・若者が常識知らずと言われるのは今に始まったことではない。

・甘やかして育てられれば常識知らずに成長するのは当然だ。

・いきなりど真ん中ストレートを投げる常識知らずの投球術は未経験者だからこそだ。

・上司にタメ口で話しかけるのはあまりにも常識知らずの行動である。

「世間知らず」と「常識知らず」の違い

「世間知らず」には世俗から遠ざかっていたせいで必要な知識や経験がかけているというニュアンスがあり、必ずしも本人のせいではなく育てられ方や環境による影響が強く感じられます。

「常識知らず」は当然身につけているべき常識がかけているということが強調されており本人の責任が強調されています。

「世間知らず」はお人好しや純朴と言ったポジティブな意味で使われることもありますが「常識知らず」は基本的にネガティブな意味でしか使われないという違いもあります。

まとめ

「世間知らず」「常識知らず」は意味合いは非常に似ていますがニュアンスに大きな違いがあります。

知識や経験が不足していることをどう評価するのかによってふさわしい表現は変わるので正しい言葉を選んでください。

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