「些少」
些少は、謙譲表現として使う言葉です。
状態を表す為に使いますが、謙って使うことになるので、「これくらいしか」という意味になることがほとんどです。
その為、相手の何かに対して例えそう思ったとしても、決して使ってはいけません。
このような言葉は、使い方を間違えると恥ずかしいことになるので注意しましょう。
「些少」の意味
些少とは、「ほんの些細な」、「ごく僅かな」という意味で使われます。
「些少ながら」という形で使うことが多く、自分ではもう少しはマシだろうと思っている場合でも、遭えて謙る時に使う表現です。
よって、ビジネスでの取引先や、目上の人に対して使うことが多いです。
また、この言葉を使う場合には、前後の表現も合わせないといけないので、そちらへの配慮も大切になります。
「些少」の英語と解釈
些少の意味を英語で表記すると、“a little”や“a few”(どちらも「ごく僅か」の意味です)となりますが、これらには「謙譲」のニュアンスが含まれておらず、単に”とても少ないこと”しか表現していません。
些少のその部分まで含めて英語にするなら、“slight”がいいでしょう。
完全な謙譲表現ではありませんが、そのように使うことが多い言葉なので、「些少」に一番近い英語表現だと考えることができます。
「些少」の言葉の使い方
些少は、謙って「本当に少ないのですが」という意味で使います。
日本人の奥ゆかしい点とも言いますか、何事においても、そのように謙りながら伝えることが少なくありません。
何かを持っていく時に「つまらないものですが」と表現するのがいい例で、この「些少」も同様の言葉だと考えると分かりやすいと思います。
場面によっては、その「つまらない〜」の代わりに使うこともできる言葉です。
「些少」を使った例文・解釈
些少を使った例文です。
どれも謙った言い方になっているのが分かると思います。
そして、前後の文体(の丁寧さ)にも注目してください。
「些少」の例文1
「些少しかお力になれませんが、お手伝いさせていただきます」
些少の主な使い方はこのような形です。
大した力にはなれないながら、手伝わせてもらいますと謙って丁寧に伝えています。
本当は張り切って頑張ろうと考えているような場合でも、遭えてこのような言い方をするものです。
「些少」の例文2
「些少ですが、どうそお納めください」
特に金額が決まっていない受付などで使う表現です。
前述した「つまらないものですが」とよく似た意味で使っており、本当は結構な金額だったとしても、シチュエーションや相手によってはこのように伝えて渡すのが望ましい場合があります。
尚、「ほんの些少ですが」と使ってしまうことがありますが、「些少」に「ほんの僅か」という意味がある為、これでは二重表現になってしまいます。
この言葉の前に「ほんの」や「とても」などと付ける必要はありません。
「些少」の例文3
「些少で申し訳ありませんが、お詫びのしるしとして粗品を同梱させていただきました」
些少は数字的なものに対してだけでなく、このように「つまらないものですが」の代わりとして使うこともできます。
似たニュアンスの英語表現もある言葉ですが、こういった言い方は、やはり日本人ならではだとも言えそうです。
「些少」の例文4
「些少な内容ながら、ご提案させていただきます」
この使い方では、「大した内容でもありませんが」と言っています。
自信をもっている内容であっても、その場の雰囲気や相手によってはこのような伝え方がいいでしょう。
この他にも、何かを相手(取引先や目上の人)から褒められた際などに、「些少な価値しかありませんが」(あくまで謙って)などという使い方ができます。