「作る」の意味とは?
「作る」の意味は、「比較的小さなものをつくること」や「形がない無形のもの・抽象的なものをつくること」になります。
「作る」というのは、何かをつくるという時の一般的な漢字表記になっています。
そのため、「大規模な構造物・工場や設備が必要なもの・新しいもの」をつくるのでなければ、「ほとんどのものをつくる行為」は「抽象的なもの・無形のものをつくる行為」も含めて、「作る」の漢字で表すことができます。
自分で弁当・菓子など小さなものを手づくりする時には、「手作り」と表記されます。
「造る」の意味とは?
「造る」の意味は、「比較的大きなものをつくること」や「工場・設備・施設がないと製造できないような種類のものをつくること」になります。
お米・麦などを発酵させてつくる「味噌・醤油・酒」を大規模な設備でつくることを「醸造・製造」といいますが、これらの発酵食品をつくる行為も「造る」の漢字で表現します。
ロボットや自動車、工作機械を大規模な工場などでつくる場合にも、「造る」の言葉を使います。
ハム・ローストビーフ・家具・お酒など個人の自宅で手軽につくれず、一定の製造設備が必要なものをつくる時にも「造る」の漢字を使用します。
「創る」の意味とは?
「創る」の意味は、「新しいもの(今までにない新しいもの)をつくること」や「創造的・革新的な要素のあるものをつくること」になります。
「創る」という言葉は「創造すること」を意味していて、「創る」は「芸術・創作物・雑誌・サイトをはじめとして今までにない新しい価値・視点・意味を生み出すようなものをつくる行為」を示唆しているのです。
ただし、「創る」は常用漢字表において「つくる」の訓読みが挙げられていないため、公的文書・行政文書では「創る」とは書かず、「作る」か「造る」が使われます。
「作る」と「造る」の違い
「作る」と「造る」の違いは、「作る」が「比較的小さなもの(製造設備が不要なもの)・無形のもの・抽象的なものをつくること」を意味しているのに対して、「造る」の方は「比較的大きなもの(製造設備が必要なもの)・有形のもの・発酵食品(醸造するもの)をつくること」を意味しているという違いがあります。
そのため、抽象的な集合体である国家をつくる行為は「国家を作る」とは書けますが、「国家を造る」と書くことはできません。
また、大規模な製造設備が必要な航空機をつくる行為は「航空機を造る」と書けますが、「航空機を作る」とは書けない違いがあるのです。
「作る」と「創る」の違い
「作る」と「創る」の違いは、「作る」が「比較的小さなもの・無形のもの・抽象的なものをつくること」を意味するのに対して、「創る」の方は「創造すること・今までにない新しいものをつくること」を意味しているという違いがあります。
そのため、無形のものであるイメージをつくる行為は「イメージを作る」と書けますが、「イメージを創る」とは書けません。
反対に、新しいコンセプトの芸術をつくる行為は「芸術を創る」と書くことができますが、「芸術を作る」とは書けないという違いもあるのです。
「造る」と「創る」の違い
「造る」と「創る」の違いは、「造る」は「比較的大きなもの(製造設備が必要なもの)・有形のもの・発酵食品(醸造するもの)をつくること」を意味していますが、「創る」の方は「新しいものをつくること・新しい価値や意味を創造すること」を意味しているという違いがあるのです。
そのため、発酵食品である「味噌(醤油)を造る」とは書けますが、「味噌(醤油)を創る」とは書けないのです。
また、新規の価値を創造する行為について「新しい価値を創る」と書きますが、「新しい価値を造る」とは書けないという違いもあります。
「作る」と「造る」と「創る」の使い分け
「作る」と「造る」と「創る」の使い分けについて、具体的な使用例・ケースを用いて説明していきます。
「作る」を用いるケース
「作る」は、「丸椅子を作る」「小物入れを作る」「指輪を作る」「手提げ袋を作る」など小さな物を作るケースで使えます。
また、「記録を作る」「陣形を作る」「会社を作る」「社会を作る」など無形のもの、抽象的なものを作るケースでも使われます。
「造る」を用いるケース
「造る」は、「飛行機(航空機)を造る」「船舶を造る」「ロボットを造る」「大型家具を造る」など大きな有形のものを造るケースで使えます。
また、「味噌を造る」「お酒を造る」「醤油を造る」「ハムを造る」など発酵食品・加工食品を大規模な工場設備で造るというケースでも使われます。
「創る」を用いるケース
「創る」は、「新しいウェブサイトを創る」「新しい雑誌を創る」「新しい価値(意味・言葉)を創る」など今までにない新しいものを創造するようなケースで使えます。
一般的に大規模な工場をつくるようなケースでは「工場を造る」と書かれますが、今までにない新しいコンセプトを掲げて理想の工場をつくるケースでは「工場を創る」と書くこともできるのです。