この記事では、「侍女」と「召使」の違いを分かりやすく説明していきます。
「侍女」とは?
「侍女(じじょ)」とは、「主に近代以前の時代において、王侯貴族など身分の高い女性・貴婦人の側近くにいて仕えていた女性」のことを意味しています。
「侍女」は古代の昔から存在していましたが、身分の高い王族・貴族の貴婦人に仕えて身の回りの世話(ヘアメイク・コーディネイトなど)をしたり、雑用を引き受けたりする役割を担っていました。
中世から近世の武士の時代には、大名以上の正室・お姫様の女性に「侍女」がついていました。
「侍女」の身分は日本でも海外でも低くはなく、出先では女主人に準じる礼儀をもって対応されていました。
「召使」とは?
「召使(めしつかい)」とは、「主人との強い上下関係がある、家事労働全般を引き受けていた使用人(下人)・奉公人」のことを意味しています。
「召使」というのは、「主人やその家族の身の回りの世話をしたり家内労働全般をしたりする身分の低い使用人」を示唆しています。
「召使」の言葉には、「主人よりも低い身分で仕えている使用人・奉公人(下男・下女)で、家事労働を義務的に行う」といった身分差別的なニュアンスがあるので、現代の職業名・役割としてはほぼ使われなくなっている言葉です。
ただし日常的な話し言葉や小説・漫画などの世界では、「家事育児・雑用など何でも言うことを聞いてくれる便利な使用人」といった意味合いで使われることも多くあります。
「侍女」と「召使」の違い
「侍女」と「召使」の違いを、分かりやすく解説します。
「侍女」と「召使」の最大の違いは、「侍女」は「仕える主人が女性(貴婦人)であり、侍女自身も女性である」という性別の限定性にあります。
「侍女」は「女主人にしか仕えず女性しかなれない身分・役割」ですが、「召使」は「男性の主人・女性の主人に仕えて男性でも女性でもなれる身分・役割」であるという点に違いが認められます。
また「侍女」は「女主人・貴婦人に準じるような礼節のある待遇をしてもらえる役割」でしたが、「召使」は「侍女よりも低い身分と見なされていて、外出先などでも下人・下女の奉公人(古代では奴隷的存在)としての冷たい待遇が多いところ」も違っているのです。
「侍女」の例文
・『現代で侍女に身辺の世話や化粧の手伝いをしてもらっているような女性はほとんどいませんが、近代以前の貴族の婦人は侍女を連れているのが普通でした』
・『侍女の身分的立場はそれほど低いものではなく、外出した先で侍女は貴婦人に次ぐような礼遇を受けることも多かったのです』
「召使」の例文
・『召使という言い方には身分差別の響きがあるので、現代では家政婦・ハウスキーパー(家事代行業者)などの呼び方が一般的です』
・『時間の余裕がない毎日を送っていると、家事育児を全部引き受けてくれるような召使がいればどんなに楽だろうと想像してしまうこともあります』
まとめ
この記事では、「侍女」と「召使」の違いを詳しく説明しました。
「侍女」とは、「身分の高い女性(貴婦人)の側について、ヘアメイクや衣装合わせなどの身の回りの手伝いをしていた女性」を意味しています。
「召使」とは、「身分的な上下関係を前提として、家事労働全般を引き受けていた男女の奉公人」を示している違いがあります。
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