この記事では、「依頼」と「お願い」の違いを分かりやすく説明していきます。
「依頼」とは?
「依頼」には2つの意味があります。
一つは、人に仕事をしてくれるように伝えて願うことです。
業務や事務などをしてくれるように伝えることをいいます。
たとえば、雑誌に掲載するイラストのことで考えてみます。
雑誌にイラストを掲載したいと考えていて、そのためのイラストレーターが必要です。
まずは、描いてくれる人を探しました。
そして、描いてくれる人が見つかったので、イラストレーターに「雑誌に載せるイラストを描いてください」といいました。
こうして欲しいと伝えたのです。
この、こうして欲しいと伝えることが「依頼」です。
もう一つの意味は、他人に期待することです。
他人が何かをやってくれるだろうと期待することをいいます。
「依頼」の使い方
こうして欲しいと人に伝える意味では、業務や事務について使用をします。
家族に「ティッシュとって」「お菓子買って」などと言うことには使用しないことが一般的です。
こうして欲しいと伝えてはいますが、これらに対して「依頼」というと、やや硬い感じがします。
他人に期待することという意味では、「依頼心」という使われ方をしています。
「お願い」とは?
「お願い」は「願い」に「お」をつけた謙譲語・美化語です。
「お願い」には2つの意味があります。
一つは、神仏に対して、こうなって欲しいと実現を希望することです。
受験生は神社仏閣で受験祈願をすることがあると思います。
神仏に対して「受験に合格しますように」と希望を伝えているのです。
こういった行為を意味しています。
もう一つは、こうして欲しいと人に伝えることです。
買い物をして荷物が重いとき、一緒に買い物をしている家族や友人などに「荷物を持って」と伝えることがあると思います。
「荷物を持って」というのが、こうして欲しいという事柄です。
それを人に伝えています。
これが「お願い」です。
「お願い」の使い方
日本人は、神仏に実現して欲しいことを伝えることが少なくありません。
初詣に出かける人の数は少なくなく、これを行っているのです。
日常的には、こうして欲しいと人に伝える意味で、「お願い」という言葉を使用しています。
「依頼」と「お願い」の違い
2つの言葉は、実現して欲しいことを伝えるという意味は同じなのですが、使われる場面に違いがあります。
前者の言葉は、業務や事務について使用されることが多いです。
後者の言葉は、業務や事務でも、家族や友人などに対しても使われます。
「依頼」の例文
・『検査機関に成分分析を依頼する』
・『編集者から依頼された』
・『協力を依頼する』
・『衣装の製作を依頼する』
「お願い」の例文
・『これ買ってとお願いする』
・『お願いをきいてくれた』
・『猫のお願いポーズがかわいい』
・『洗濯物の取り込みをお願いする』
まとめ
こうして欲しいと人に伝えるという意味を持つ2つの言葉ですが、意味は似ていても使われる場面に違いがあります。