「倹約」とは?
「倹約(けんやく)」とは、「お金・物の無駄遣いをしないように努めること」や「無駄・浪費を省いて出費(支出)をできるだけ少なくすること」を意味しています。
「倹約」とは、「お金・物の無駄遣いを省いて出費をできるだけ減らすこと」を意味する言葉なのです。
「倹約」の言葉の使い方として、「お金を無駄遣いせずに倹約して暮らす」とは言えますが、「電気(水道)の倹約をして暮らす」とは言えません。
「倹約」という言葉は、「物の消費・水道光熱費・時間などを切り詰めて無駄を減らす」という節約の意味のニュアンス自体は持っていますが、「物の倹約・水道の倹約・時間の倹約」という文章として使うことはできないのです。
「吝嗇」とは?
「吝嗇(りんしょく)」とは、「必要なことにもお金を使わないほどケチであること」や「金銭的に締まり屋で必要な出費も出し惜しみすること」を意味しています。
小説や文学作品では、「吝嗇」と書いて「ケチ」と読ませる例もあります。
「吝嗇」の「吝」という漢字にも「嗇」という漢字にも「惜しむ」の意味があり、「吝嗇」という言葉は端的に「ケチであること・出し惜しみすること」を意味しているのです。
「倹約」と「吝嗇」の違い
「倹約」と「吝嗇」の違いは、「倹約」は「無駄・贅沢を省いて支出をできるだけ少なくすること」を意味していますが、「吝嗇」は「必要な支出さえ惜しむほどにケチであること」を意味しているという違いがあります。
「倹約」は最低限の必要な交際費などは出すので、他人から「ケチな人・出し惜しみする人」とまでは思われませんが、「吝嗇」はとにかくどんなことにもお金を使いたくないので交際費・割り勘のお金などもまともに出さずに、周囲の他人から「ケチな人・出し惜しみする人」と思われてしまうことが多いという違いもあります。
「倹約」の使用例
「倹約」の使用例を紹介して、その意味を解釈していきます。
「外食をやめて倹約する」
「倹約」の使用例として、「外食をやめて倹約する」があります。
レストランや回転寿司などでの外食は、旅行と並んで日常生活に絶対に必要なものではなく、ちょっと我慢して節約しようと思えば節約できる代表的なものと言えます。
そのため、「無駄を省いてできるだけ出費を抑える」という意味の「倹約」の使用例として、「外食をやめて倹約する」を上げることができるのです。
「倹約生活で貯金をする」
「倹約」の使用例として、「倹約生活で貯金をする」があります。
「倹約生活で貯金をする」の文章の意味は、「お金・物の無駄使いをしない生活をするように努力して、お金を貯める」ということです。
「倹約」をする人の分かりやすい目的・理由の一つが「貯金」なので、「倹約生活で貯金をする」という使用例を上げることができます。
「彼は堅実な倹約家である」
「倹約」の使用例として、「彼は堅実な倹約家である」があります。
「彼は堅実な倹約家である」の文章の意味は、「彼は手堅い考えを持った倹約家(無駄遣いをしない人)である」になります。
無駄遣いをせずに倹約する人のことを「倹約家」ということから、「彼は堅実な倹約家である」という使用例を指摘できます。
「吝嗇」の使用例
「吝嗇」の使用例を紹介して、その意味を解釈していきます。
「吝嗇で子供の給食費も出さない」
「吝嗇」の使用例として、「吝嗇で子供の給食費も出さない」があります。
この使用例の意味は、「ケチだから子供の給食費さえ出さない」ということになります。
必要経費さえ出し惜しみするのが「吝嗇」なので、「吝嗇で子供の給食費も出さない」という使用例が上げられるのです。
「吝嗇な守銭奴」
「吝嗇」の使用例として、「吝嗇な守銭奴」があります。
この文章の意味は、「必要なことにもお金を使わないお金が第一のケチな人」や「出し惜しみする金銭至上主義者(金銭の奴隷)」になります。
「吝嗇」は「必要なお金・物さえも出し惜しみすること」なので、「守銭奴(しゅせんど)」の言葉とよく似たニュアンスがあるのです。
「彼は度を越した吝嗇家である」
「吝嗇」の使用例として、「彼は度を越した吝嗇家である」があります。
この文章の意味は、「彼は程度が行き過ぎたケチな人である」になります。
ケチな人・男のことは、「吝嗇家(りんしょくか)・吝嗇漢(りんしょくかん)」という慣用的な言葉で表現できるのです。
「節約」と「吝嗇」の違い
「節約(せつやく)」と「吝嗇」の違いは、「節約」は「お金・物の無駄を省いて切り詰めること」を意味していますが、「吝嗇」は「ケチであること・必要経費さえ出し惜しみすること」を意味しているという違いがあります。
「節約」という言葉には、「合理的に無駄を省いて切り詰めるが、必要な物・経費まで出し惜しみすることはない」や「常識的な範囲で節度のある切り詰め方をする」というニュアンスがあるのです。
「吝嗇」という言葉には、「常識外れのケチ」や「出し惜しみの度が過ぎている」というニュアンスがあるので、必要経費は惜しまない「節約」とは違います。