この記事では、四字熟語の「克己復礼」の意味を分かりやすく説明していきます。
「克己復礼」とは?意味
「克己復礼」の読みは「こっきふくれい」で、「私情や私欲に打ち勝って、礼儀にかなう行いをすること」を意味する四字熟語です。
「克己復礼」の概要
「克己復礼」は「克己」と「復礼」の二つの熟語に分解できます。
前半の「克己」の言葉の「克」は「力を尽くして打ち勝つ」意味であり、「己」には「自分自身」と言う意味です。
従って「克己」は「自分の欲望などに打ち勝つ」という意味になるのです。
また後半の「復礼」は、「礼儀」に「復する、すなわち戻る」ことであり、「社会的なルールを守ることや、相手に敬意をはらうこと」を意味します。
従って「克己復礼」の四字熟語は、前項で記載した「私情や私欲に打ち勝って、礼儀にかなう行いをすること」の意味となるのです。
この四字熟語の由来は、孔子の教えを、彼の死後に弟子たちがまとめた「論語」にある言葉です。
「論語」の中の、「顔淵(がんえん)篇」に、儒教で重視される「仁」について、弟子の顔淵と孔子の問答の記述があります。
顔淵が孔子に「仁とは何なのですか」と問うと、孔子は「克己復礼為仁」と答えました。
これを書き下し文にすると「己(おのれ)に克ちて(かちて)礼に復る(かえる)を仁と為す」となり、現代文に訳すと「自分の欲望を克服し、礼儀正しくすることに立ち戻る姿勢が、仁である」となります。
これが、「克己復礼」の由来であり、孔子によれば、このことが「仁」と言う概念だと言うことなのです。
「克己復礼」は、堅苦しく感じられる四字熟語ですが、ビジネスの場などで、使われることも少なくないので、しっかし理解しておくことがお勧めです。
「克己復礼」の言葉の使い方や使われ方
「克己復礼」の四字熟語は、以下の例の様に使われます。
・『克己復礼を重んじる人は、周囲から信頼され、会社組織でも重宝されます』
・『ハロウインで、楽しみを超えて、大暴れする若者には、克己復礼の精神を教えるべきだ』
・『自分のことのみを考えて、社内で協力する意識がない人には、克己復礼の大切さを、考えてもらいたい』
・『克己復礼は大切な精神だけど、それは決して自我を捨てて、周囲に盲従することではない』
「克己復礼」の類語や言い換え
「克己復礼」と似た意味の四字熟語としては、「隠忍自重」や「温良恭倹」や「無私無欲」や「恬淡寡欲」や「虚静恬淡」などが挙げられます。
ニュアンスは少しづつ異なりますが、似た四字熟語が多数ある事から、昔から、日本人が礼節を重んじ、また自分を強く前面に出し過ぎることを良しとしない国民である事を改めて感じさせられます。
まとめ
「克己復礼」の読みは「こっきふくれい」で、「私情や私欲に打ち勝って、礼儀にかなう行いをすること」を意味する四字熟語です。
この言葉の由来は論語の中に記述のある孔子の言葉です。
そこでは「克己復礼」こそが「仁」の概念だと説いています。