「全然」と「少しも」の違いとは?分かりやすく解釈

「全然」と「少しも」の違い違い

この記事では、「全然」「少しも」の違いを分かりやすく説明していきます。

「全然」とは?

「全然」「全然~ない」と否定的に使用されます。

例えば『全然痛くない』や『今日のテストは全然できなかった』の様に、全否定する表現として使用されるのが一般的です。

しかしこの「全然」は肯定的な表現としても使用される事があります。

例えば『全然おいしい』や『全然OKです』と使う人がいるのです。

こうした表現は、若い人が使う事が多く、この使い方は間違っているとし、中には若者の使う日本語の乱れを嘆く方まで居られるほどです。

しかし、この「全然」を強調する言葉として肯定的に使用する事は、学者によると間違いではないと言う説が一般的です。

夏目漱石は『一体生徒が全然悪いです』と明治39年の坊ちゃんで肯定的に使用していますし、大正になっても芥川龍之介が羅生門で『全然、自分の意志に支配されている』と肯定的で強調のために使っているのです。

この様に、かつては「全然」は必ずしも否定的な表現を強調するだけに使用されるものではなく、肯定的にもしばしば使用されていたのです。

否定的に使用するのが一般的だとなったのは、昭和10年代になってからだと言う研究もあります。

従って若者言葉として間違いだと思う方も少なくない『全然OKです』と言う使い方は、決して間違いではないのです。


「少しも」とは?

「少しも」「少しも~ない」と否定文として使用され「~ない」を強調する言葉として使用されています。

例としては『少しも痛くない』の様に使用されます。

「少し」だけなら、大小・多少を表現するものに過ぎませんが、「少しも」「も」が着くと、否定的な使用方法のみの使用となります。


「全然」と「少しも」の違い

「全然」は否定的な強調として使用されるのが一般的かしていますが、肯定的に使用される事もあり、これも間違いではありません。

一方の「少しも」は否定文として強調する場合にのみ使用されます。

この点では、両言葉の使われ方に違いがあると言えます。

しかし「全然」が否定文と組み合わせて強調する言葉として使用される場合、これは「少しも」とほぼ同じ意味として使用されます。

例えば『全然痛くない』と『少しも痛くない』は、いずれも痛くない事を強調する表現として使用されるもので、全く同義だと言えます。

もちろん、個人によっては「全然」の方が「少しも」よりも、さらに強く強調していると使い分けしておられる方も居られますが、実際はこうした強調度合いの差もありません。

まとめ

「全然」否定的に使われるのが一般的ですが、かつては肯定的に使う方が主流であり、間違いではありません。

しかし「少しも」は否定文でのみ使われるもので、この使い方では両言葉に違いがあると言えます。

しかし「全然」を否定的に強調使用する場合には、「少しも」と同義だと言えます。

強調度合いが違うと捉えている方も居られますが、そうした強調度合いにも違いはありません。

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