「再販」と「取次」の違いとは?分かりやすく解釈

「再販」と「取次」の違い違い

この記事では、「再販」「取次」の違いを分かりやすく説明していきます。

「再販」とは?

「再販(さいはん)」とは、「出版物(書籍)を定価販売するための再販売価格維持制度を略した言葉」を意味している出版用語です。

「再販」という出版用語は、「書籍・雑誌などの出版物を、出版社が決定した定価で書店(本屋)に販売させることで著作権者・小規模書店の利益を守るための制度」のことなのです。


「再販」の使い方

「再販」の出版用語は、「値引き販売を許さず、出版社が決めた定価で出版物(書籍・雑誌)を売るための再販売価格維持制度」を意味して使うという使い方になります。

例えば、以下のような例文で使えます。

「再販には著作権者の利益を守る大義名分もありますが、値引きできないことで本の売上が落ちやすい問題もあります」「再販の定価販売によって、新刊書籍の大きな値崩れを防いでいるのです」


「取次」とは?

「取次(とりつぎ)」とは、「出版社から発行される本(書籍・雑誌)を集約して、全国の書店に配本する業務を行っている会社」を意味している出版用語です。

「取次」は、「出版社と書店を仲介して、(各書店の売上・返本などのデータをもとに)定期的かつ効率的に配本する役割を担っている会社」なのです。

出版業界の卸売業・問屋業である「取次」の大手は、日本では「日本出版販売」「トーハン」になります。

このニ社が「取次市場の約7割のシェア」を寡占しているのです。

「取次」の使い方

「取次」という出版用語は、「出版社から発行されるたくさんの本(書籍・雑誌)を集約して、全国の書店に配本する業務を行っている会社」を意味して使われます。

日本の出版市場の「取次」というと、主に「日本出版販売」「トーハン」という会社を意味して使われることになります。

例えば、以下のような例文で使えます。

「取次の業務によって、各書店は毎回の発注作業をしなくても良くなっています」「日本の出版業界の取次は、日本出版販売・トーハンという大手二社によって市場シェアが寡占されています」

「再販」と「取次」の違い!

「再販」「取次」の違いを、分かりやすく解説します。

「再販」「取次」はどちらも「出版業界に関連する言葉」ですが、「再販」というのは「出版社が決めた定価で、書店で新刊書籍を販売し続けるための再販売価格維持制度(出版物の勝手な値引きを許さない制度)」のことを意味しています。

「再販」に対して「取次」という出版用語は、「出版社が発行する書籍・雑誌を、全国の書店に配本する業務を行っている会社(主に日本出版販売・トーハンの二社)」「出版業界における卸売業・問屋業」を意味しているという違いを指摘することができます。

まとめ

「再販」「取次」の違いを説明しましたが、いかがだったでしょうか?

「再販」「日本の出版業界において書籍を定価販売するための再販売価格維持制度」を意味していて、「取次」「出版社が発行する本を、全国の書店に配本する卸売業務を行っている会社(特に大手の日本出版販売・トーハン)」を意味しているという違いがあります。

「再販」「取次」の違いを詳しく調べたい時は、この記事をチェックしてみてください。

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