「励行」と「推奨」の違いとは?分かりやすく解釈

「励行」と「推奨」の違いとは?違い

この記事では、「励行」「推奨」の違いを分かりやすく説明していきます。

「励行」とは?

「励行」【れいこう】とは、決められたことをきちんと実行することです。

漢字の「励」ははげむこと、しっかりおこなうことを意味します。

「行」はおこない、ふるまいという意味があります。

また、この場合のおこないは決まりごとを指しています。

これらの漢字を組み合わせた「励行」は、決まりごとをその通りにおこなうことに力を入れる、つまり「決まりごとをきちんと実行する」という意味の言葉になっているのです。

「励行」は、決められた規則、あるいは自分で決めた習慣をその通りに実行することを指します。

この場合の規則や習慣は、実践すると良い結果がもたらされることが予測されているものです。

「励」「努める」という意味も含んでおり、「励行」は強制されるのではなく、良いとされる規則や習慣を率先してはげむニュアンスを含みます。

「励行」の類語は「遵守」【じゅんしゅ】、「精励」【せいれい】です。

ただし「遵守」は決められた規則に必ず従うこと、「精励」は懸命にはげむことを意味しているので、「励行」とはニュアンスが少し異なります。


「励行」の例文

・『夏休みを規則正しく過ごせるよう、早寝早起きを励行する』
・『不良品の出荷を防ぐため、目視による入念なチェックを励行する』


「推奨」とは?

「推奨」【すいしょう】とは、良いこと、優れた人を挙げてすすめることです。

漢字の「推」は選んで人にすすめること、おし上げることを意味します。

同じく「奨」も、すすめるという意味を持つ漢字です。

これらの漢字を組み合わせると、何かを選んで人にすすめるという意味が成り立ちます。

「推」には優れたものを抜き出して挙げるニュアンスがあるため、「推奨」「良いものを選び出して人にすすめる」という意味を表していることがうかがえます。

「推奨」は、人柄や業績の優れた人、品質の良い製品や適したサービスなどを選び出し、ほかの人に知ってもらうためにすすめることです。

類語には「奨励」【しょうれい】や「勧奨」「かんしょう」などがあります。

「奨励」は業績をたたえてはげますこと、「勧奨」は良いことを教え実践するようすすめることです。

「推奨」と言葉は似ていますが少しニュアンスが異なるので、状況にあわせて使い分けると良いでしょう。

「推奨」の例文

・『セレブ女優の推奨する化粧品が爆発的にヒットしている』
・『効果を高めるためには、1日3回利用することを推奨する』

「励行」と「推奨」の違い

「励行」「推奨」の違いを、分かりやすく解説します。

「励行」は、決まりごとをきちんと実行することです。

「推奨」は優れた人や物を選び出し、ほかの人に知ってもらうため薦めることです。

「励行」は、良い結果を得るために決めた規則や習慣を実行することですが、「推奨」はほかの人に優れた人や良い物を薦める行為なので「励行」「推奨」に意味の重複するところはほとんど見られません。

強いて挙げるなら「良いことをすすめる」というニュアンスが共通しているといえるでしょう。

まとめ

「励行」は決まりごとを実行すること、「推奨」は良い物などを人に薦めることです。

指している内容が異なるので、混同することは少ないかもしれません。

どちらも日常生活で目にする機会がある言葉なので、意味を確認しておきましょう。

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