「負」と「敗」は、どちらも「まける」という読み方があり、意味もよく似ています。
「勝負」「勝敗」という熟語になった時、この二つに違いはあるのでしょうか。
この記事では、「勝負」と「勝敗」の違いを分かりやすく説明していきます。
「勝負」とは?
「勝負」とは、勝ち負けのことです。
また、勝ち負けを決めようとして争うという意味もあります。
「勝」は、勝つこと、「負」は、負けることを指すので、「勝負」は反対の意味を持つ二つの漢字の組み合わせで成り立つ熟語です。
「勝負」を英語にすると“victory or defeat”や“game”になります。
「勝負」の使い方
勝ち負けを決めるということを指して「勝負をつける」といいます。
「勝負をする」という場合の「勝負」は、単純な勝ち負けというよりも、争いや試合、競争という意味を持ちます。
「勝負事」(しょうぶごと)は、勝ち負けを争う行為、特に賭け事やばくちのことです。
「勝負師」は、ばくちうちや失敗する危険のある事でも大胆に行える人のことを指します。
また、意中の相手の気を引くために着用する下着のことを「勝負下着」と言うことがあります。
他にも「勝負運」、「勝負球」(しょうぶだま)、「勝負手」、「勝負所」など「勝負」を含む熟語はたくさんあります。
「勝敗」とは?
「勝敗」とは、勝つこととまけることを指す言葉です。
「敗」は、「まける」、「やぶれる」と読み、戦いに負けることを意味します。
「勝敗」は英語で、“victory or defeat”と言います。
「勝敗」の使い方
勝ち負けを決することを指す場合には「勝敗を決する」と言います。
「勝敗ライン」とは、勝ち負けを判定するための水準・境界線のことです。
「勝負」と「勝敗」の違い
「勝負」と「勝敗」は、どちらも勝ち負けという意味を持ちます。
一方で、「勝負」に関しては、試合、争い、競争などの意味もあります。
つまり「勝敗」は、勝ったか負けたかの結果のみを指しますが、「勝負」は、勝ったか負けたかの結果だけでなく、その結果を決めるための過程、つまり争いの部分も指すということです。
戦うことを表すときに、「勝負する」とは言いますが、「勝敗する」とは言いません。
「勝負」は「勝敗」よりも幅広く使うことができます。
「勝負」の例文
・『どちらが先に目的地にたどり着けるか勝負しよう。』
・『私の父は勝負事に強い。』
・『今日こそは勝負をつけよう。』
・『私と妹では力に差がありすぎて勝負にならない。』
「勝敗」の例文
・『最後はじゃんけんで勝敗を決する。』
・『サッカーの試合の勝敗が速報で入ってきた。』
・『この選択が勝敗の分かれ目だった。』
・『人気投票の勝敗ラインを見極める。』
まとめ
「勝敗」は、争いの結果を意味し、「勝負」は、争いそのものとその結果の両方を意味します。
言葉の意味をしっかり理解して、状況に応じてうまく使い分けられるようにしましょう。