完全ではない、半分程度などの意味で使われる「半ば」という言葉ですが、「半分」とは違う意味・使い方があります。
この記事では、「半ば」と「半分」の違いを分かりやすく説明していきます。
「半ば」とは?
「半ば」(なかば)とは、全体を二つに分けたその一方のことです。
その他にも、一定の距離・期間などの中間あたりという意味や、ある物事の途中という意味もあります。
これらは名詞の「半ば」ですが、副詞の「半ば」には、半分ほどある状態になっているさま、完全にではないがかなりの程度という意味があります。
「半ば」を表す英語表現としては、“half”や“the middle”などがあります。
「半ば」の使い方
中間のあたりという意味で使う場合には、「人生の半ば」「7月の半ば」「30代半ば」という形で使います。
「志半ば」(こころざしなかば)は、最後までやり遂げずに残したさまのことです。
半円形の月のことを「半ばの月」といいます。
一方、中秋の名月を指して「半ばの月」という場合もあるようです。
「半ばあきらめる」と言った場合には、完全に諦めているわけではないものの、半分程度諦めている状態を意味します。
「半分」とは?
「半分」は、2分の1の分量・数量を意味します。
また、かなりの程度までその状態であること、なかばそのつもりであること、なかばその気持ちが含まれていることという意味も持ちます。
類語は、「五分」(ごぶ)で、こちらも物事の半ば・半分という意味を持つ言葉です。
「半分」を英語にすると、“half”になります。
「半分」の使い方
「半分こ」は、等分してそれぞれに配ることです。
分量や割合がほぼ等しいことを指して「半分半分」と言います。
「面白半分」は、興味本位の気持ちがあって真剣さに欠けるさまを表す表現です。
「話半分で聞く」という場合には、話の半分程度はうそや誇張であると思いながら聞くことを意味します。
「半ば」と「半分」の違い
基本的な区別の仕方ですが、「半ば」は、中間という「位置」を表し、「半分」は、2分の1という「数量」を表します。
具体的には、「人生の半ば」という場合には、人生の中間地点を指しますが、「人生の半分」という場合には、寿命を80年とした場合の40年間や、あるいは40歳の人にとっての20年間といった数量を指すのが一般的です。
「半ば」と「半分」のすべての用法が位置か、数量かで区別できるわけではありませんが、ベースとなる考えとしては有用なので覚えておきましょう。
「半ば」の例文
・『毎年6月の半ばくらいに期末テストがある。』
・『志半ばで死んでいった仲間たちの夢を叶えたい。』
・『半ばあきらめていたが何とかなりそうだ。』
・『敷地の半ばを譲渡する。』
「半分」の例文
・『100の半分は50だ。』
・『母がケーキを買ってきたので妹と半分こにした。』
・『みんな真剣にやっているのだから、遊び半分でやるなら帰ってくれ。』
・『勢いで行ってしまったが、半分は本気だ。』
まとめ
例外もありますが、原則は、「半ば=位置、半分=数量」です。
それぞれの意味をしっかり押さえつつ、どちらか迷ったときには両方当てはめてみて違和感がない方を使うようにしましょう。