「卒婚」
「卒婚」という言葉は最近、よく目にしたり、聞くようになった言葉ではないでしょうか。
卒婚は通常の離婚や別居とはどう違うのかも併せて見ていきましょう。
「卒婚」の意味
「卒婚」とは「そつこん」と言います。
意味は「結婚(夫婦)という形からの卒業」となります。
これまでは、婚姻関係の卒業というと「離婚」という形になっていたかと思います。
お互いが納得して婚姻関係を解消することを円満離婚と言ったりもしますが、卒婚の場合は離婚はしません。
しかし「夫婦」という形にこだわらず、お互いの人生をそれぞれが楽しむということになるのです。
例えば、別々の場所で暮らし始めたりするのですが、それは「離婚に向けた別居」ではないのです。
また同居したまま、卒婚状態ということもあります。
卒婚は「離婚する意思はないけれど、お互いがそれぞれ自由にしたいことをする」といったことになります。
「卒婚」の言葉の使い方
新婚夫婦や子育て世代夫婦にはまだ卒婚という考えは浮かばないかもしれません。
夫婦関係を終わらせたいと思えば「離婚」の方が現実的なのかもしれません。
どちらかと言えば、長い間夫婦関係にあった人達にしっくりくる言葉です。
卒婚のタイミングとしては、子供が結婚、独立して出て行ったとか、夫の定年退職といったものが多いようです。
それぐらいになりますと、大体結婚20年以上は経過しているかと思います。
相手のことは決して嫌いではない、でも自分の人生を好きなように過ごしたい、自由に生きたいといった人達が、婚姻関係はそのままに別居したり、同居の場合でも相手の帰宅時間、世話などせず単なる同居人として過ごすことが卒婚状態と言えるでしょう。
使い方としては、夫婦関係を表す時に「うちは卒婚しているから」と自分で言う場合が多いでしょうか。
夫婦関係が悪いとか、離婚前提の別居とか人から勘繰られることを「卒婚しているから」と言うことで防ぐこともできますし、相手に納得もしてもらえるのです。
今後ますます卒婚状態になる人達は増えていくのかもしれません。
「卒婚」を使った例文・短文(解釈)
「卒婚」を使った例文・短文を紹介して、その意味を分かりやすく解釈していきます。
「卒婚」の例文1
「嫌いなわけではないけれど、もう卒婚している」
夫婦一緒に過ごしていないと、不仲なのではないかと親戚や友達に心配されることもあるでしょう。
そのような時に卒婚ということをさらっと伝えると、相手も離婚危機とは違うとわかります。
卒婚の場合は、夫婦の仲が良いとアピールする必要はなくなりますので、仮面夫婦とは違うところです。
仮面夫婦の場合は、不仲であっても人前では夫婦として上手くいっているという体裁を保っていることです。
「卒婚」の例文2
「離婚するわけではないけれど、卒婚したい」
配偶者に、今後はお互い自由に生活しようとか、場合によっては別居したい旨を伝える時に卒婚と伝えることで、離婚ではないととりあえずわかってはもらえます。
これまでは自由になりたいとか、別居したいと言うことは、離婚したいとか、離婚に向けての準備といった意味合いでした。
家族としての愛情はあるものの、異性としての愛情は終わっているという夫婦は案外多いのかもしれません。
配偶者がどう受け取るかはそれぞれ違うとは思いますが、離婚ではなく卒婚ということですのでとりあえずゆっくり考える時間はあると思えるのではないでしょうか。
「卒婚」の例文3
「別居スタイルの卒婚は経済的に無理かもしれない」
卒婚は、離れて暮らす場合もあれば同居したままという場合もどちらもあります。
例えば、妻はそれまで通りの家で暮らし、夫は田舎で暮らしたいといった場合は別居スタイルの卒婚です。
しかし同じ家に生活して、それぞれが好きな時間に起きて、好きな場所に出かけて、食事もバラバラといった同居スタイルの卒婚もあるのです。
この場合は夫婦ではなく同居人といった状態に近くなります。
一人になりたいと思って卒婚を希望する場合でも、経済的に余裕がなければ難しいというのが現実ではないでしょうか。
家賃、光熱費など二重にかかってきますので、別居スタイルの卒婚は経済的にはほとんど離婚している状態と同じではあります。