名刺交換するとき、組織図をみるとき、肩書や職名を意識して確認する人は多いでしょう。
しかし、自分が所属する組織にはない肩書は、その人の組織ではどのような扱いなのか判断しかねる場合もあるようです。
特に「参事」と「部長」は違いや区別を難しく感じる人がいるようですので、この記事では、「参事」と「部長」の違いを分かりやすく説明していきます。
「参事」とは?
「さんじ」と読みます。
ある事務や業務に参与する職のことや、その職にある人をいいます。
また、国会職員および協同組合などの職員の職名としても使われています。
理事長、副理事長に次ぐランクです。
ちなみに、旧制では行政機関や、特に鉄道省鉄道局、大蔵省専売局など現業庁の官名としても使用されていました。
明治初年に各府県に置かれた、長官に次ぐ官名でもありましたので、意味をかえて現在まで続いてきた職名といえます。
「参事」の使い方
「参事」が使用される代表的な例文をみてみましょう。
・『「参事」官とは、内閣官房・法制局や各省庁などで、その部局の所掌事務に参画し、重要事項の総括整理や立案などをする職員のことです』
・『この件では、鈴木「参事」が中心となって資料のとりまとめをしました』
「部長」とは?
「ぶちょう」と読みます。
官庁や会社などで、部の事務を統轄し、部下を監督する役職です。
また、その役職にあたる人をいいます。
官庁や会社だけでなく、学校や民間が運営するクラブやチームをとりしきる人も「部長」といいます。
本部長の1つ下で、課長の1つ上のランクです。
「部長」の使い方
「部長」が使用される代表的な例文をみてみましょう。
・『うちの営業「部長」は、営業畑一本でやってきた叩き上げです』
・『私は、学生時代スキー部の「部長」をしていました』
・『生産2課の課長が、製造「部長」に出世したとききました』
「参事」と「部長」の違い
それでは「参事」と「部長」の違いを、改めて整理してみましょう。
「参事」は「職能資格名」です。
「職能資格」とは、「ある役職につく資格や能力がある。
ある役職につく条件を満たしている」という能力のランクを示しており、役職についているとは限りません。
役職(ポスト)は数が限られていますが、職務遂行能力に定員はありません。
公的機関や研究機関で使われているケースが多く、民間企業でも役職とは別に社内資格として参事が存在している場合があります。
役職にすると、部長から課長あたりといえますが、組織によって基準はバラバラなため、名刺交換などの際には、どのような立場なのか慎重に見極めた方が良いでしょう。
一方「部長」は「役職名」です。
部の責任者であり、部の方針やメンバーを管理する等、部全体をマネジメントします。
役職は能力資格とは違い、席数が決まっています。
まとめ
この記事では「参事」と「部長」の違いをみてきました。
「参事」は「職能資格」、部長は「役職」という違いがあります。
意味を正しく理解して間違えないようにしましょう。