この記事では、「参入」と「算入」の違いを分かりやすく説明していきます。
いずれも「さんにゅう」と読みますが、さてどのような違いがあるのでしょうか。
「参入」とは?
参入は、主に2つの意味があります。
ひとつは一般的に使われ、広く知られているのですが、新しい分野に参加する状況を表す言葉です。
参入の「参」は参加という言葉と同じ意味として使われています。
もうひとつは、身分が高貴な人を訪問するという意味があります。
こちらは普段の会話では使われることのない意味なので、ほとんどの人にとって馴染みのない意味です。
そもそも高貴な人と知り合いで、その人のところへ伺うことを言葉にする機会に恵まれない人のほうが多いはずなので、なんら不思議はありません。
「参入」の使い方
参入は、ふたつの意味を持つのでそれぞれの使い方を例でご紹介します。
まずは、新しい分野に参加する意味で参入を使う場合です。
『更なる利益獲得を目指すため、金融業界への参入を模索する』
『大企業や異分野企業の農業参入が話題になった』
そして、高貴な肩を訪問する際の使い方です。
『後日、皇居へ参入してご説明する必要がある』
『宮中へ参入する』
「算入」とは?
ある数字を計算内に加えることを算入と言います。
この場合の「算」は計算を表しているので、文字そのままの意味です。
また、お金などの金額を足し算をするという意味だけでなく、全体の数に加える単純な計算という意味合いもあります。
「算入」の使い方
金銭に関する算入の使い方は次の通りです。
『この数字を予算に算入すると、予算枠をオーバーしてしまう』
また、それ以外の場合は次の通りです。
『リビングの床面積が広く感じるのは、ダイニングの床面積を算入しているからだ』
この例からも分かるように、算入は計上や加算といった経理用語と混同しやすいので注意が必要です。
同じような意味合いを持っていますが、微妙な違いがあります。
「参入」と「算入」の違い
参入には主にふたつの意味があり、新たに加わるという意味と身分の高い人を訪問するという意味があります。
一般的に知られている参入は、加わるほうの意味です。
一方の算入には、数にカウントするという意味があります。
金銭だけではなく、ひとつの数をそれ以外の数として考えるというときにも使える言葉です。
まとめ
調べてみると、今まで知ることのなかった意味に出会えることがあります。
今回の参入が良い例です。
身分の高い人を尋ねるときに使うことが分かりました。
また、算入は計算に関する言葉であると漠然としたイメージだけで捉えていた人が多いことでしょう。
実は、算入以外に計上や加算という言葉があり、使い分ける必要があるのです。
それぞれの言葉を口にするチャンスはないかもしれませんが、言葉の持つ意味の面白さが浮き彫りになりました。
参入と算入。
「さんにゅう」という同じ響きを持ちながら、こんなにも違う意味を持つふたつの言葉をご紹介しました。