「受容」と「容認」と「認容」の違いとは?英語の違いも分かりやすく解説

違い

「受容」の意味とは?

「受容」の意味は、「受け入れること」「受け入れて取り込むこと」になります。

「受容」という言葉には、「否定(批判)したり拒絶したりせずに全面的に受け入れること」といったポジティブなニュアンスがあります。

「受容」とは「積極的・肯定的に受け入れること」「他を自分の一部として取り込むこと」を意味する言葉です。

例えば、「家族から自分の存在を受容されています」「明治維新で西欧文明を受容しました」などの文章で使うことができます。

「容認」の意味とは?

「容認」の意味は、「よいこととして認めて許すこと」「その行為・状態などをとがめずに認めること、許すこと」になります。

「容認」という言葉は、「積極的に認めること・肯定的に高く評価すること」を意味するよりも、「消極的ながらも許して認めること・とがめずに許すこと」といった意味のニュアンスで使われることが多くなっています。

「彼女の喫煙を容認する」「執行部の現状を容認せざるを得なかった」などの文章において、「〜してもいいと許して認める」という意味合いで使われます。

「認容」の意味とは?

「認容」の意味は、「容認」と同じで「よいこととして認めて許すこと」「その行為・状態などをとがめずに許して認めること」になりますが、「認容」は一般的に法律用語として解釈され使用されています。

「認容」という言葉は、法律用語で「裁判において原告の請求を認めること(認容判決など)」「何らかの状態・条件について認識していること」を意味していて、法律用語以外の実際の使用例はほとんどないという特徴があります。

法律用語と関係しない「とがめずに認めて許すこと」の意味合いでは、一般的に「認容」ではなく「容認」が使われます。

「受容」と「容認」の違い

「受容」「容認」の違いは、「受容」「積極的・肯定的に受け入れること」を意味していますが、「容認」「相手・状態をとがめずに許して認めること(消極的ながらも認めること)」を意味しているという違いがあります。

「受容」「積極的・前向きな受け入れ」を意味していますが、「容認」「消極的・審査的な承認・許可」を意味しているという違いがあるのです。

言い換えれば、「受容」「そのままで素晴らしいとして受け入れること」であり、「容認」「それでもいいよ(ダメだといってとがめることはしない)という感じで許すこと」なのです。

「受容」と「認容」の違い

「受容」「認容」の違いは、「受容」「積極的・肯定的に受け入れること」を意味していますが、「認容」「法律用語として裁判で原告の請求を認めること・ある条件や前提を認識していること」を意味しているという明らかな違いがあります。

「受容」「受け入れること・取り入れること全般」を意味していますが、「認容」「法律的な用語・用法として訴えを認めること、条件を認識すること」を意味しているという違いがあるのです。

そのため、「あなたの存在を受容する」とは書くことができても、「あなたの存在を認容する」と書くことはできません。

「容認」と「認容」の違い

「容認」「認容」の違いは、どちらも「よいこととして認めて許すこと・相手や状況をとがめずに許すこと」を意味していますが、「認容」は基本的に「法律用語としてしか使われていない」という違いがあります。

「容認」という言葉は「彼のわがままな言動を容認していました」「未成年者のお酒・タバコは容認することができません」などの一般的な文章で使えますが、これらの文章の「容認」「認容」で言い換えることはできません。

また、「認容裁判」「容認裁判」と言い換えることはできず、法律の条文や裁判の判決文で使われる「認容」の法律用語を「容認」に置き換えることも通常はできないのです。

「受容」「容認」「認容」の英語

「受容」「容認」「認容」の言葉を英語で表現すると以下のようになります。

「受容」の言葉は、“acceptance”(受容の名詞)、“accept”(受容するの動詞)という英単語で表現できます。

「容認」の言葉は、“tolerate”(許容する・大目に見る)、“approve”(認める・承認する)、“admit”(事実として認める)という英単語で表せます。

「認容」の英語は“uphold”(支持する・擁護する)“accep”(事実を受け入れる)“admit”(事実として認める)という英単語で表現することができます。

英語では「容認」と法律用語の「認容」を特別に区別しないことが多いですが、“uphold”は法律・裁判に関係する単語になっています。

「認容裁判・認容判決」を英語で表現すると、“an upholding judgment”になります。

違い
意味解説辞典