この記事では、「否定」と「意見」の違いを分かりやすく説明していきます。
「否定」とは?
「否定」の主な意味は3つあります。
1つめは、そうではないということ、認めないことです。
「否」という漢字には、同意しないという意味があります。
幽霊はいると信じている人がいる一方、幽霊なんていないという人もいます。
いないという人は、幽霊がいると言う人のことを認めません。
「幽霊がいる」ということを「そうではない」とするのです。
このことは「幽霊を否定する」ということができます。
また、「暴力を否定する」といったような、よくないことを認めないという意味もあります。
2つめは、論理学で、命題の主語と述語の関係が成立しないことです。
3つめは、文法で打消しの語法のことです。
日本語の場合だと「~ません」「~でない」とすると打消しの意味になります。
「否定」の使い方
そうではないと認めないことや、打消しの意味で使用する言葉です。
「意見」とは?
「意見」には2つの意味があります。
一つは、ある事柄に対する考えや主張です。
よく考えたものの場合も、よく考えていないものの場合も意味しています。
今度の休みに家族で出かけることになったとします。
まだ行先は決まっていないので、家族それぞれが行きたいところを言いました。
母はデパートがいいといいます。
子どもは動物園がいいといいます。
これら、それぞれが言っていることは、その人の考えであり、「意見」ということができます。
もう一つの意味は、自分の思うことを言って、非を指摘することです。
たとえば、伯父が甥に対して「タバコを吸うのをやめなさい」といったとします。
甥は未成年で、タバコを吸ってはいけない年齢です。
正しくないことを正しくないとして指摘しており、このことを「意見」といいます。
「意見」の使い方
ある事柄に対する考えや主張を指して使用する言葉です。
よく頭を働かせて出てきた考え・主張についても、あまり頭を働かせずに出てきた考え・主張についてもいうことができます。
「否定」と「意見」の違い
「否定」とは認めないことです。
そうではないとすることを意味しています。
「意見」とは考えや主張です。
ある問題に対して「そうではない」とすることもありますが、この言葉自体には認めないという意味は含まれていません。
考え・主張のことであり、その考えや主張がどういったものなのかまでは、意味に含んでいない言葉です。
「否定」の例文
・『その言葉を否定された』
・『ほめ言葉を否定する』
・『不安があっても、それを否定しません』
・『おもちゃで遊ぶことを否定しない』
「意見」の例文
・『意見はありません』
・『健康的でいいと思います、という意見があった』
・『商品に対する意見を述べる』
・『意見をまとめる』
まとめ
「否定」的な「意見」もありますが、両者の言葉の意味は異なります。
使われる場面も異なります。