この記事では、「告示」と「通達」の違いを分かりやすく説明していきます。
「告示」とは?
国や地方公共団体などから、公式に一般に向けて広く知らせることです。
国や地方公共団体が行うものを指しており、一般の人が行うものの意味ではありません。
学習指導要領とは、小学校・中学校の教育課程の基準です。
これは文部科学省から知らされるものです。
文部科学省は国の機関の一つで、そこから世間一般に向けて広く知らされているので、このことは「告示」といいます。
この場合は、文部科学省から学習指導要領が「告示」される、ということができます。
芸能人などがテレビやSNSなどを通じて、自らのことを世間一般に知らせることがありますが、このことは「告示」とはいいません。
「告示」は国や公の機関が行うもので、よく知られている人でも、こういった人たちが行うものではないです。
「告示」の使い方
広く一般に知らせるという意味で使用をします。
知らせるものが、国家や公の機関である場合にいいます。
「通達」とは?
「通達」には3つの意味があります。
1つめは、相手に知らせるです。
特に役所から文書で知らせることをいいます。
行政官庁から所轄の機関や職員に対して行われます。
2つめの意味は、ある物事に深い知識を持っている、精通しているです。
日本人でロシア語をよく知っていて、文法や単語などを知っているだけでなく、話すこともできるようなさまは「ロシア語の精通している」ということができるでしょう。
この言葉が指すある物事とは何か、意味に含まれていません。
そのため、言語以外のことについてもいうことができます。
3つめは、すみずみまで通じることです。
「通達」の使い方
いくつかの意味がありますが、行政官庁が行うものの意味で使われることが多いです。
行政官庁がその所轄の機関や職員などに文書で知らせることをいいます。
行政官庁から所轄の職員でない一般の人に知らせるといったことや、一般の人から一般の人に知らせるといったことには、あまり使用されません。
「告示」と「通達」の違い
どちらの言葉にも、知らせるという意味が含まれていますが、誰から誰に知らせるのかという点に違いがあります。
前者の言葉は、国や公の機関から広く知らせることを意味しています。
一般の人に対して行われるものもいいます。
後者の言葉は、行政官庁から所轄の機関や職員などに対して行われるものを意味しています。
また、物事に深く通じているという意味もあります。
「告示」の例文
・『告示がされました』
・『15日に告示』
・『選挙が告示される』
・『文部科学省が告示する』
「通達」の例文
・『防衛省から通達があった』
・『通達に反する行為は行われていない』
・『重要な通達』
・『活動を中止するよう通達した』
まとめ
どちらの言葉にも知らせるという意味が含まれていますが、誰から誰に知らせるのかという点に違いがあります。