「善良な市民」とは?意味や使い方、例文など分かりやすく解釈

「善良な市民」とは?意味と使い方

社会学や法学などで使われる言葉に「善良な市民」という表現があります。

ニュースなどでもよく使われるこの言葉ですが具体的にはどのようなことを指しているのでしょうか。

今回は、「善良な市民」の意味と類似表現について解説します。

「善良な市民」とは?意味

「善良な市民」とは「偏った考えを持たない社会的にごく普通の人」を意味する言葉です。


「善良な市民」の概要

「市民」という言葉を単独で使う場合は「市町村のうち市に住む人」という意味がありますが、社会学など学問上における「市民」「特別な属性のない一般の人」という意味で使われます。

「善良な市民」「善良」とは「人を邪魔したり社会を見出したりせず合理的価値観に基づいて行動する」ことを指しています。

「考え方が素直で歪んだところがなく社会の一員として普通に生活する人」「善良な市民」であり、通常は「社会に暮らす普通の人々」という意味で使われています。

普通の人でも多少のズルや道理に合わない行動をすることはありますが、常識的な範囲内で想定しうる範囲内の行動や考え方に収まっている人はすべて「善良な市民」です。

ここで言う「善良」の基準は「社会に参加する」「法律を守る」「税金を納める」など社会に暮らす一員として最低限度の常識レベルです。

最低限の常識を身に着けその通りに行動する人が「善良な市民」であり、社会のほとんどの人が該当します。

学術的には「自分の利益を最大化する」「無駄な労力を減らしたい」など人間的合理性を持った人のことを「善良な市民」としています。

他人の利益を減らすことを優先したり損をしてでも人のために働いたりといった非合理的な行動をとる人は想定される「善良な市民」には含まれません。


「善良な市民」の言葉の使い方や使われ方

・善良な市民として政治に一言物申したい。

・汗水たらして働く善良な市民が報われる社会を作りたい。

・善良な市民として犯罪者は必ず通報する。

・火災が発生したが善良な市民の協力により早期に消火された。

「善良な市民」の類語や言いかえ

・一般庶民
「特別な身分ではない一般階級の人」を指す言葉です。

もともとは身分制度がはっきり区別されていた時代における貴族階級や上流階級以外の人々の身分を指す言葉でしたが、現在では「社会大勢いる普通の人々」という意味で使われています。

意味合いとしては「善良な市民」とほぼ同じですがこちらのほうがよりありふれた人々を指す表現です。

・大衆
「社会において多数を占める人々」を指す言葉です。

特別な個人ではなく個人が集まって形作られた集団としての存在を指す言葉で極めて匿名性の強い表現です。

社会学などでは集団でありながら個人のような自意識や考えを持つ存在として扱われることもあります。

何らかの目的や理由があってできた集団ではないので非常に無責任で「欲求にしたがって行動する本能的な人々」というニュアンスも含まれています。

本来的な意味としては主体的な「善良な市民」と対照的な概念ですが、社会を構成する多数の人々という意味では非常に近しい意味の言葉であり現在では同じような意味合いで使われています。

まとめ

「善良な市民」という言い方は少し特別な言い回しですが意味としては非常にシンプルで我々にとっても馴染み深いものです。

あまり堅苦しく考えるず言葉の意味をそのまま理解して遣いましょう。

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