何かと何かを比べるとき、「基準」と「規準」という語句が頭に浮かぶこともあります。
この記事では、「基準」と「規準」の違いを分かりやすく説明していきます。
正確な語彙を知って、頭の体操をおこなっていきましょう。
「基準」とは?
基準(きじゅん)とは物事のベースとなる、物差しのこと。
迷ったときに参考にしておきたい、基本的な数値のことをあらわします。
最低限ここだけはやっておこう、そのような意味でつかわれることが多いです。
基準の「基」は基礎や基本などの熟語でもつかわれる、よく目にする漢字です。
基は住まいに例えるのなら、床下の土台のこと。
ふだんは見えないけれども、とても重要なパーツです。
なぜなら基礎がぐらついてしまえば、物事そのものが傾いてしまうからです。
そのため基準も、物事のおおもと・原点とも言うべき「よりどころ」を指します。
「野球選手の評価基準」や「新入社員の選考基準」「水質検査の基準」など、誰が見てもわかる数値が基準となります。
どんな人が審査しても、同じ結果になるのが基準です。
「規準」とは?
規準(きじゅん)とは、お手本のこと。
守って欲しいルールです。
どう考えるべきか迷ったとき、参考にすべきものを規準としています。
考え方のお手本として、使われることが多いです。
規準の「規」は規範や規律など、守るべき決まりごととして用いられています。
「理想的なモデル」という意味合いもあるので、見習って欲しいときに使われます。
「美の規準」や「児童の評価規準」「車選びの規準」などがその例です。
複数のものを比較しているとき、2つ以上のもので迷っているときに判断の目安として使われます。
「基準」と「規準」の違い
どちらも「きじゅん」と読むので、勘違いして使ってしまうこともあります。
「基準」と「規準」の違いを、分かりやすく解説します。
・頻度が多いのは基準 基準は基本となるべき数値・目安をあらわします。
建築基準・採用基準・審査基準など、基準の名前を借りている言葉は、星の数ほど存在します。
基準は判断や審査をおこなうときの原点ともなるべき数値。
そのため建築や学校・政治の世界など、幅広いジャンルでつかわれます。
暮らしの中で、何かと多用されているものが基準。
イレギュラーなケースは規準です。
規準は考え方の一例としてつかわれることが多く、複数のものを比べたいときにアドバイスとして用います。
そのため、はっきりと伝えたいときは基準。
少し濁したいときは規準です。
まとめ
「基準」と「規準」の違いを分かりやすくお伝えしました。
基準は最低限クリアしておきたい条件や数値のこと。
建築基準や評価規準などが、その例にあたります。
また規準は価値観やアイデアの、よりどころにすべき値のこと。
日常生活でよく使うのは基準。
使われる場が限られているのが規準になります。
語句の小さな差を知っておくと、公の場で恥をかかずに済みます。