「増大」と「増幅」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「増大」と「増幅」の違い違い

この記事では、「増大」「増幅」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「増大」と「増幅」の違い

「増大」の言葉は、「数・程度が増えて大きくなること」を示しています。

「増大」と比べると「増幅」は、「単純な数量の増加」よりも「物事の程度が激しくなる+対象とする範囲が広くなる」といった意味のニュアンスが強い点に違いが見られます。

「増大」のほうが「増幅」よりも、「一般的な文章およびシチュエーション(状況)」において使われる頻度が高い言葉になっている違いもあります。

また「増幅」という表現は「増大」にない、「アンプで電気信号の振り幅を強化して外部に出力すること」という独自の意味合いを持っている違いも挙げることができます。


「増大」と「増幅」の使い方の違い

「増大」「日本の抱えている累積政務は増大する一方です」のように、「ある物事の数が増えること・程度が大きくなること」の意味合いで使います。

「増幅」の言葉も「増大」と似ていて、「増えること」の意味で使います。

ただし「増幅」「数が増えること」よりも、「あることを含む範疇を広げること・ある感情および事象の程度を強くすること」の意味で使われる違いを指摘できます。

さらに「増幅」「電気信号をアンプで技術的に強化して、音などの出力を大きくする」を示唆して使うという、「増大」にはない使い方があるのです。


「増大」と「増幅」の英語表記の違い

「増大」は、英語を使用して表現すると以下になります。

“increase”……数量が増えること、数量を増やすこと。

増大。

“enlargement”……増やして大きくすること。

増えて大きくなること。

増大。

“enhancement”……強化すること。

程度を強めること。

増大。

「増幅」は、英語を使って表記すると以下になります。

“amplification”……アンプ機器などを使って、出力する音量などを増幅すること。

“amplify”……増幅するを意味する英語の動詞です。

“amplifier”……アンプ。

楽器の音量の増幅器。

「増大」の意味

「増大」とは、「抽象的な物事が増えて大きくなること」を意味しています。

「増大」というのは、「数が増えたり程度がはなはだしくなったりすること」を意味している言葉です。

「増大」の表現は、「(確認できる現象として)増えて大きくなること」「(能動的な行為で)増やして大きくすること」の意味合いを持っています。

「増大」の使い方

「増大」は、「物事の数が増えたり程度が大きくなったりすること」を指示して使用することができます。

「増大」という言葉は、「増やして大きくする」という意図的・関与的な行動を示唆して使うこともあります。

例えば、「サバの漁獲量が今月はかなり増大しています」といった文章で使うことができるのです。

「増大」を使った例文

・『増大が続いている借金をどのようにして返せば良いのか、毎日のように頭を悩ませています。』

・『いつ怒り狂った敵の軍勢が村を襲うか分からないということで、人々の間に恐怖が増大していました。』

・『1年ぶりに親友と再会できるという知らせを受けて、増大する喜びを抑えることができませんでした。』

・『ビジネスパートナーが私を裏切るかたちで別の事業を立ち上げようとしているという疑惑が増大していました。』

・『増大する不安を打ち消すため、私は目の前にある仕事を一生懸命に片付けることだけに集中していました。』

「増大」の類語

「増大」の類語には、以下の言葉があります。

・『増加(ぞうか)』……数えられる具体的なモノの数量が増すこと。

・『増量(ぞうりょう)』……商品・食品などの分量(内容量)が増えること。分量を増やすこと。

・『肥大(ひだい)』……太って大きくなること。ネガティブなニュアンスで、組織や問題などが大きくなること。

「増大」の対義語

「増大」の対義語には、以下の言葉があります。

・『減少(げんしょう)』……数量が減って少なくなる。減らして少なくする。

「増幅」の意味

「増幅」とは、「ある物事や感情の程度を強めること」を意味しています。

「増幅」の表現には、「ある事柄の範囲・領域を広めること」といった意味合いもあります。

「増幅」というのは、「程度やレンジを拡張して大きくすること」のニュアンスを持っている言葉なのです。

また「増幅」の別の意味として、「アンプ(増幅器)を用いて、電気信号・電波を拡張することでアウトプットを大きくする」もあります。

「増幅」の使い方

「増幅」「卑怯な相手を許せないという気持ちが増幅しています」といった文章で使えます。

この文章では、「増幅」「程度を大きくする」の意味で使用されています。

また「増幅」「音を綺麗に増幅させられました」のように、「増幅器(アンプ)で音・電気信号の振幅を大きくして出力を大きくする」を意味して使う使い方もあります。

「増幅」を使った例文

・『好きだった昔の彼女と偶然会ったことで、密かに彼女に抱いていた思いが増幅しました。』

・『昨日は打撲した部分に強い痛みがありましたが、朝起きるとその痛みが周囲にまで増幅していました。』

・『恨みつらみを増幅させるとストレスで体を壊しやすいので、嫌いな相手を許すように努力しています。』

・『アンプで増幅した音が割れていて音質が悪かったので、普通のマイクだけで歌うことにしました。』

・『夕陽が沈みかけている浜辺に打ち寄せる荒波の音が、強い風の影響を受けてさらに増幅していました。』

「増幅」の類語

「増幅」の類語には、以下の言葉があります。

・『増強(ぞうきょう)』……人員・数量を増やして強化すること。数を増やして程度を強くする。

・『拡張(かくちょう)』……活動の規模や集団の勢いなどを広げてより大きくする。

「増幅」の対義語

「増幅」の対義語として、以下の言葉を紹介します。

・『減衰(げんすい)』……数量が減ってその勢いが衰えること。程度が弱くなって衰えるさま。

まとめ

「増大」「増幅」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「増大」「増幅」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の中身をチェックしてみてください。

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