「売上原価」と「販管費」の違いとは?分かりやすく解釈

「売上原価」と「販管費」の違いとは?違い

この記事では、「売上原価」「販管費」の違いを分かりやすく説明していきます。

「売上原価」とは?

企業会計において使われる用語で、売れた商品の製造、仕入れにかかった費用のことで、「商品が売れた際に計上」される原価を指す言葉です。

売れた商品を対象に計算されるため、在庫分は含まれません。

企業の営業活動においてどのくらい利益が出せるかを概算する時に用いられるものです。

売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高という計算で出すことができます。

製造業の場合、人件費は売上原価に含まれるものですが、研究開発を行っている従業員の人件費は開発研究費に分類されることになっており、注意が必要です。

売上原価率という言葉では高いほど利益が出にくくなっており、低ければ利益が出やすいものとなり、飲食業界は20%程度、小売業界で50%~75%程度と適正とされる数値があります。


「販管費」とは?

販売費及び一般管理費の略称で、販売業務や管理業務で発生した経費のことを指し、営業マンの営業活動にかかる交通費や給料、担当者の給料も含めた広告宣伝費、販売促進費などが含まれています。

販管費率という言葉は売上に対する販管費の割合で、比率が低いほど経営の効率が良いと言えますが、給与の問題もあり、低ければ低いほどいいとまでは言えない指標でもあります。

なお、販管費率は最も高い部類の出版業の平均が30. 0%、最も低い部類の非鉄金属製造業の12. 7%、大企業が17. 0%、中小企業が20. 8%という2007年のデータが有り、大企業のほうが経営の効率が良いことがわかります。

販管費には、旅費交通費、広告宣伝費、福利厚生費 接待交際費、通信費、水道光熱費、消耗品費、租税公課 、法定福利費、賃貸料、減価償却費、保険料、給与、賞与、開発研究費、支払手数料が含まれています。

医薬品や精密機器は販管費率が高く、建設や造船は低いとされています。


「売上原価」と「販管費」の違い

「売上原価」「販管費」の違いを、分かりやすく解説します。

売上原価とは在庫は含まず、販売された商品や製品サービスを生み出すためにかかる費用のことで製造業の給与も含まれれています。

売上原価率という言葉では数値が低いほど利益が出やすくなります。

販管費とは商品や製品・サービスの販売にかかる費用のことで、光熱費や通信費、給与や開発研究費などイメージできるほとんどの経費は販管費に含まれます。

販管費率という言葉でも低ければ低いほど経営の効率が良いということができますが、あまり低いと従業員の給与面に問題がでてしまいます。

まとめ

「売上原価」「販管費」はともに率で表すことができ、低いほうが利益が出やすく効率の良い企業、高ければ薄利多売と言える企業になります。

販管費率では最も高い部類の出版業の平均が30.0%、最も低い部類の非鉄金属製造業の12.7%など、業種ごとにかなり比率の異なる数値になります。

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