会社での会話やニュースでは、しばしば「大企業」や「大手」と言ったフレーズが登場します。
規模が大きい会社なのはわかるのですが、それぞれ、具体的にはどのように使い分けるのが正しいのでしょうか。
この記事では、「大企業」と「大手」の違いを分かりやすく説明していきます。
「大企業」とは?
一般的に経営規模が大きな会社を指すこともあります。
しかし、法律的には一定の条件を満たす事業主を「大企業」と表現するので、正しく使うためには、しっかりと理解しておく必要があるでしょう。
まず、法律上では「大企業」の定義はありません。
資本金か出資の総額、従業員数、業種が中堅企業の水準を超えたものを便宜、「大企業」と呼んでいます。
条件は業種ごとによって違うので、中小企業基本法第2条を参照しましょう。
例えば、製造業では資本金か出資の総額は3億円、従業員300人を超える会社か個人となっています。
つまり、個人事業でも一定の水準を満たせば、大企業になりえるのです。
「大企業」の使い方
一般的な会話では一部上場企業を指したり、知名度が高い会社を意味したりします。
しかし、法律が関わってくる場面では、中小企業基本法による区分を用いることが欠かせません。
なお、一般会話でも正確性を重視するなら、法律上の条件を満たした事業者を「大企業」と呼んだほうが良い場面もあるでしょう。
「大手」とは?
「大企業」と混同する場合もありますが、「大手」は別物と考えた方が正確です。
基本的には「大手」は会社の規模や知名度、シェアの独占率などに着目します。
事業規模に着目した場合、一部上場なら「大手」と言われることが多いでしょう。
逆にシェアに着目した場合、事業規模自体はそこまで大きくなくても「業界大手」と呼ばれることがあります。
「大手」の使い方
「大手」の使われ方は曖昧で、人によって理解が異なるのが特徴です。
経営規模が大きな会社を指すこともあれば、トップシェアや知名度の高い会社を「大手」と呼ぶこともあります。
「大企業」と「大手」の違い
「大企業」は法律的な場面では定着したフレーズです。
上述の通り、中小企業基本法で規定された、中堅会社を超える場合は「大企業」として扱われます。
対して「大手」の方は、法的な規定がない言葉です。
このため解釈は人それぞれで、経営規模やシェアが大きい会社を「大手」と呼んでいます。
また、「大企業」の方も、一般会話では厳密な法的区分に基づいて用いられてはいません。
イメージ的に大きい会社を「大企業」と呼ぶケースがしばしばあります。
まとめ
「大企業」と「大手」はいずれも、人によって色々な解釈で使われている言葉です。
法律理解が問われる場面では「大企業」については、中小企業基本法に基づいて正確に使うことが必要でしょう。
ただ、それ以外の場面では個人個人のイメージで大きい会社を「大企業」や「大手」と呼んでいるのが現状です。